Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.111 情報システムに「完成」はあるのか?

 コラム

情報システムに「完成」はあるのか?

 

システムには完璧というものは存在しません。利用者全員を満足させるシステムなど到底出来上がるはずはありません。言い換えれば、システムとはアップデートを繰り返しながら、いつまでたっても完成することはないものなのです。

 

システムの導入プロセスであるプロジェクトには、始まりがあって終りがあるので、完成形が存在します。しかしこれは、導入プロセスとしての完成形であって、完全なシステムが出来上がったかどうかは別問題です。

 

「システムはいつまでたっても完成しないもの」
この認識はITプロジェクトにおいて常に持つべき認識です。システムは完成しないからこそ、利用者の反応を見ながらアップデートを繰り返していくものなのです。

 

IT導入プロジェクトにおいて「良いシステムを創りたい」ことは当然ですが、「完璧なシステムを創ろうとする」ことはやってはいけません。

 

システムの完成とプロジェクトの完成は違うモノです。この事を認識しておかなければ、いつの間にか「良いシステム」=「完璧なシステム」になってしまい、プロジェクトが暴走する危険性が出てきます。

 

では、完成しないシステムに対し、どのようにプロジェクトを進めていけば良いのでしょうか。答えは、同じシステムに対し、プロジェクトを何周も行うことにあります。

 

これまで当コラムでお伝えしたように、ITプロジェクトの実行は「危険な橋を渡ること」ですから、「急いで渡りきる」必要があります。「急いで渡りきる」とは素早くプロジェクトを完了させることを意味します。スピード重視で実装を見送った機能もあるはずですから、それらの追加機能候補は次のプロジェクトに回します。こうしてプロジェクトを何回も回していきます。

 

これは、プロジェクトのゴールを分割すること、ステップ分けすること、マイルストーンを設定することと同義です。これらはプロジェクトの進め方において基本かつ王道の手法ですが、目先に囚われると基本を忘れてしまうプロジェクトが多いようです。

 

時間も手間もかかるITプロジェクトで、システムを1回で完成させてしまおうと考えるのは間違いです。ほとんどの場合、システムの完成までに船まければならないステップがあり、一足飛びに完成までたどり着けないのです。

 

ITプロジェクトは「危険な橋を渡ること」ですが、これを繰り返すうちに目に見えないスキルが蓄積されます。要はコツが掴めてくるわけです。そして、時間も手間もかかるITプロジェクトだからこそ、実装する機能の選別が慎重となり、本当に必要な機能を選べるようになります。

 

情報システムには「完成」がありません。完成が無いから、ひたすらアップデートを繰り返すものです。長い時間をかけて創ったシステムは、時間が掛かりすぎたおかげで、周りの状況が変わってしまい完成したときには時代遅れになる事もあります。

そうならないように小さいプロジェクトを繰り返しながら、その都度ゴールを修正しながら目的を達成するようにしましょう。