Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.109 ITプロジェクトの遅延に対する心構えとは?

 コラム

ITプロジェクトの遅延に対する心構えとは?

 

多くのITプロジェクトは「危ない橋」を渡るかのごとく、前進する覚悟と緊張感が伴います。そもそも「危ない橋」を渡るのだから、特に事情がなければ「渡らない」という選択肢もアリですし、どうしても渡る必要があるのなら、「急いで渡り切る」しか方法がないわけです。

 

急いで渡るしかないにもかかわらず、ITプロジェクトのと遅延は頻繁に発生します。
ITプロジェクトが遅延するという事は、「危ない橋に長時間居続ける」ことを意味します。これは大変なリスクです。

 

安易にプロジェクトの予定を遅らせているのだとしたら、「危ない橋を急いで渡りきるしか方法がない」ということを知らない、という事だと思います。

 

なぜITプロジェクトの遅延が発生するかといえば、原因は様々です。
発注側とITベンダー側、どちらかが一方的に悪いということでもなく、お互いにどこか原因があるはずです。

 

何らかの遅延が発生したとしても、前半の工程であれば多少遅れても後でリカバリーできる余裕がありますが、後半の工程ともなると一気に余裕が無くなります。IT業界で言うところの「デスマーチ(死の行進)」は、このような工程の遅延から発生します。

 

もちろん遅延を発生させないに越したことはありませんが、現実は難しいものです。そうなると、遅延が発生した時に影響を最小限に抑えてリカバリーする力が求められます。

 

どのような手段を用いて遅延をリカバリーするのか?は遅延の発生状況や内容によって異なりますが、ITプロジェクトの遅延に対する心構えとは、先ほど述べたような「危ない橋を急いで渡りきる」という考え方なのです。

 

ITプロジェクトで発生するトラブルは、必ず「前兆」があります。
トラブルは「前兆」があり、本格的な「形成」があって、いずれ「終息」します。

 

この「前兆」「形成」「終息」の流れの中で、手を打つべきは「前兆」の段階です。

 

分りやすくトラブルを火事に例えると、「前兆」なら火の勢いはボヤ程度ですから、先手を打った対応が可能です。しかし、「形成」になってしまうと、ひたすら「火消し」をするしかありません。火の勢いによっては消火活動が後手後手になってしまう可能性すらあります。仕方なくこれ以上の延焼を防ぐために、燃え移りそうなものを壊すしかなくなるなど
大ダメージを被ります。

 

本格的に「火消し」に追われてしまうと、人海戦術しか方法が無くなり、プロジェクトの撤退や延期が頭にちらついたとしても冷静な判断ができなくなります。こうなる前に手を打たなくてはいけません。

 

ITプロジェクトでは様々なトラブルが発生しますが、「遅延」に影響する「前兆」の発見は容易なはずです。些細な遅れの原因があったとして、それが将来大きな遅れの原因になる可能性は十分に予想できます。「危ない橋を急いで渡りきる」という発想があるからこそ、早期発見が可能になるわけです。

 

すべてのトラブルは最終的にはプロジェクトの遅延に帰結します。
遅延したからといって、プロジェクトのカットオーバーを延期するのでは本当の解決にはなりません。やむを得ずプロジェクトを延期するとしても、危ない橋に居続けるリスクを負うことを忘れてはいけません。

 

ITベンダー企業にすべてを丸投げにするのではなく、ITプロジェクトの発注側がしっかりとこの認識を持つ必要があります。