Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.107 自社とITベンダーの「溝」を埋めるために

 コラム

自社とITベンダーの「溝」を埋めるために

 

ITプロジェクトでは、発注側企業と受注側のITベンダー企業に、立場の違いや考え方の違いからくる「溝」があります。その溝を埋めるためには相互の理解が必要ですが、これを怠ると後々に大きな問題を発生させることになります。

 

両社(両者)の相互理解が出来ない代表例として、「打合せの在り方」があります。

システムを構築する上で打ち合せは必ず必要になりますが、ただやればいい訳ではありません。十分な成果が得られなければ打合せをする意味がないのですが、お互いがこの事を十分に共有できていないため、安易な打ち合わせの延期や必要な出席者が集まらない等の問題が絶えません。

 

発注側が本業の繁忙期であることを理由に打ち合せが進まないケースがありますが、最初から繁忙期にどれだけ打合せ時間を確保できるのかを予測して対策を立てるしかないわけです。

 

そもそも発注側が打合せに消極的ということは、ITプロジェクトが持つ「熱量」が不足しており、「何のためになぜこのITプロジェクトをやるのか」が共有されていないことが原因です。

 

打合せの方法をあれこれ工夫する前に、そもそもITプロジェクトに対する本気度があるか?は大きな問題となります。

 

発注側はITプロジェクトに対する熱意に対し、自分たちで制御する責任があります。ITベンダー企業に煽られるものでもなければ、やる気がないまま流れ作業で進めて良いものでもありません。発注側から見ればITベンダー企業は外部ですから、内部の深いところまでは干渉できません。発注側が自分たちの問題としてとらえる必要があります。

 

両者(両社)に溝があり、具体的にどんな弊害が起こりうるかを予め知っておけば対応ができるものです。

 

発注側にとってはITプロジェクトがスタートするということは、通常業務に加え、プロジェクト業務が追加されるということになります。この事を甘く見ていると、後から大変なことになります。ITプロジェクトが失敗する原因の多くは、プロジェクトマネジメント等の具体的なやり方が原因である以前に、時間が確保できない等の準備不足が原因であることが多いのです。

 

準備のためには現状を知らねばなりません。
これからITプロジェクトを開始するにあたり、プロジェクト業務が増えることについてどのように対応するのか?組織的なバックアップが必要ならば検討する必要があります。

 

通常業務とプロジェクト業務のバランスは、先ほど例に挙げた打合せの質にも影響しますが他にも多くの影響を及ぼします。このバランスをうやむやにするとシワ寄せがどこかに発生し、大きな問題となることがあります。

 

チームとしての結束を高めるには、シワ寄せが発生したら解消するようにバランスを取るマネジメントが求められます。全体のバランスを見ることで強いチームを維持できるため、常に大きな視点で全体を見ていくことが必要です。

 

打合せにおけるすれ違いは一例にすぎませんが、自社とITベンダーとの間にある見えない「溝」があることを認識し、先手を打つことでITプロジェクトを成功に導く第一歩が踏み出せます。