Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.106 デジタル・ディスラプションとIT投資

 コラム

デジタル・ディスラプションとIT投資

 

IT投資に熱心な企業とそうでない企業のITに対する温度差は様々ですが、以前からよく言われる「パラダイムシフト」に対しITの利活用が優位性を持つことは間違いありません。そして、IT業界では、「パラダイムシフト」と同じ意味をもつ「デジタル・ディスラプション(デジタルによる破壊)」という言葉が登場しました。

 

パラダイムシフトの古くからの例では、電気冷蔵庫の登場により町の氷屋さんが潰れてしまったり、百科事典がインターネットの登場により衰退したり、様々な事例があります。

最近の例では、デジタルカメラの登場でフイルムカメラは衰退しましたが、そのデジタルカメラでさえすぐにスマートフォンに取って代わられるようになりました。

 

デジタル(すなわちIT)が絡むと、パラダイムシフトは加速します。その変化のスピードは計り知れません。さらに、デジタルが絡むと、思ってもいない方向からライバルがやってきます。カメラのライバルが携帯電話とは一昔前には予想がつきません。
ライバルの競合他社を正面に身構えていたら、予想していなかった斜め後ろから攻撃を食らってしまうイメージです。

 

「パラダイムシフト」の一部である「デジタル・ディスラプション」は、スピードの速さと想像だにしなかった他業界からの攻撃が特徴と言えます。これはデジタル(IT)という武器によって、色々なことができるようになった影響です。

 

このような背景の中、企業が本当に力を入れるべきIT投資を考えると、「デジタル・ディスラプション」に関係するIT投資だと言えます。

 

考えられる手段は、

・自らが「デジタル・ディスラプション」を起こす「デジタル・ディスラプター」になる
・誰かが起こした「デジタル・ディスラプション」に追従し、波に乗る
・他業界から「デジタル・ディスラプション」を受けても柔軟に対応できるようになる

これらの方法が考えられます。

 

自らがデジタル・ディスラプターになるのは容易ではないにせよ、アンテナを立てて時流を知り対策を練るのはどんな企業にとっても必要な事でしょう。大企業だから、中小企業だから、という区分けは関係ありません。

 

日々行われているIT投資は、自社の基幹業務システムの構築や老朽化した社内インフラの更改など、効率化やコスト削減を目的としたITプロジェクトが多くあります。
しかし、これらの「デジタル・ディスラプション」にあまり関係しないITプロジェクトは時間や手間をかけてやるべきものではありません。
本当に時間や手間を掛けるべきは、先ほど挙げたように「デジタル・ディスラプション」に対する備えなのです。

 

時間や手間を掛けないITプロジェクトとは「ITベンダー企業に丸投げ」ではありません。
発注側自らが主導権を握りつつ、パッケージソフトをそのまま使うなどシンプルな仕組みを構築することです。

時間や手間を掛けるべきではないITプロジェクトに対し、あれもこれも機能を盛り込んでシステム化するのは意味がない事です。どうしても難しいITプロジェクトをやらざるを得ないのであれば、自社のプロジェクト推進能力を鍛えるためにやるくらいが丁度良いでしょう。

 

「デジタル・ディスラプション」に備えるIT投資は「攻めのIT」と言いかえる事が出来ます。将来の攻めのIT投資のために、自社のプロジェクト推進能力を高めておくことが重要です。