Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.105 そのITプロジェクトに「熱量」があるか?

 コラム

そのITプロジェクトに「熱量」があるか?

 

ITプロジェクトには目的が必要ですが、大勢の関係者を巻き込むプロジェクトである以上、その目的は一部の人間にのみメリットのあるものではなく、誰もがメリットを享受できる目的である必要があります。つまり、プロジェクトの目的は多くの人を巻き込むことができる大義が必要です。

 

プロジェクトに大義があればこそ、そこに「熱量」が発生します。プロジェクトに対する熱量こそが成功に欠かせない要素となります。

 

現実はすべてのITプロジェクトに大義があるかと言えば、そうではありません。実際には「やらねばならない」が目的のITプロジェクトが沢山あります。
例えば、システムが老朽化したから新しいシステムに入れ替えしなければならない場合などです。

 

こうした「ねばならない」系のプロジェクトに大勢の人を巻き込み大義を見出すことは難しいです。仕方なくやることが根底にあるため、プロジェクトに対する熱量はどうしても上がりません。このような「ねばならない」系のプロジェクトを上手くまとめるのがリーダシップ次第だったりしますが、本来、無理やり動機付けをするのは良い事ではありません。

「こうしたい」という内側から溢れ出るエネルギーによってプロジェクトが動かされなければよい状態にはならないのです。

 

ITプロジェクトの目的を考えるとき、「ねばならない」系の目的なのか「こうしたい」系の目的なのかを判断する必要があります。
ほとんどの場合、単一目的のITプロジェクトではなく、これら2つの目的が絡み合ったITプロジェクトであることが多いのです。

 

例えば、システムの老朽化によって新しいシステムに入れ替える場合でも、せっかく新システムを導入するのだから、今まで出来なかった「あんなことやこんなこと」もできるようにしたい、となるはずです。

 

このような場合は、当コラムでも何度も触れていますが、自社のプロジェクト遂行能力に合わせて、ゴールを細分化しステップを分けることで対応できます。複数の目的があったとしても、より優先順位が高い目的を最初のステップとして順番に対応すれば良いのです。

 

ITプロジェクトの成功に必要なのはプロジェクトに対する「熱量」ですが、その「熱量」はITベンダー企業に存在するのではありません。発注側企業になければ意味がありません。IT導入をしたい企業の内側から湧き出る「熱量」をITプロジェクトに注ぎ込むしかないのです。

 

「熱量」のないITプロジェクトほど無駄なものはありません。
「熱量」がないという事は、本来はやらなくても良く、むしろやるべきではないプロジェクトです。そのようなITプロジェクトに巻き込まれるメンバーは不幸でしかありません。

 

ITプロジェクトは最初に目的を明らかにすることは当然ですが、目的を達成させるための「熱量」を量ることも必要です。

 

システムの要件を精査し、実現する機能を絞るということは、達成したい「熱量」を量ることでもあります。システム導入によって何を成し遂げたいのか?を、是非、プロジェクトが持つ「熱量」の観点から検討することをおすすめします。