Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.95 ITプロジェクトの環境を整える

 コラム

ITプロジェクトの環境を整える

 

ITプロジェクトを成功させるためには環境を整える必要があります。いかにプロジェクトマネージャーが優秀でも、「勝てる環境」でなければ苦戦します。良い環境と素晴らしいプロジェクトチームが揃ってこそ初めて結果が伴います。

 

経営者によるITプロジェクトの支援活動についてはこれまでに当コラムでもお伝えしてきました。経営者によるITプロジェクトの支援活動こそがITプロジェクトの環境を整える最善策であることは言うまでもありません。経営者の支援を得られないプロジェクトは「兵站軽視の戦い」と同じです。戦略云々の話ではなく、必要な物資や環境が揃わなければ戦いには勝てません。

 

今回は、どのようにITプロジェクトの環境を整え、支援活動を行うかの心構えについてお話します。

 

情報システムは、その目的から「攻めのIT」「守りのIT」に分類分けできますが、どのような情報システムであれ、導入してそこでおしまいではありません。情報システムは利用し続けることでしか効果は得られないからです。

 

かつて主流だった、業務の効率化やコスト削減を目的とした「守りのIT」は、IT導入プロジェクトだけを支援し、導入後の運用はITベンダー企業にお任せでも問題ありませんでした。

 

しかし、今後主流になる「攻めのIT」では状況が変わります。「守りのIT」と同様に、IT導入プロジェクトだけを支援し、導入後の運用はITベンダー企業にお任せにはできません。導入後も支援活動を続ける必要があるのです。

 

これは、「攻めのIT」と「守りのIT」の違いに原因があります。
業務の効率化やコスト削減を目的とした「守りのIT」は、自社の業務プロセスの見直しや業務改革が主たる内容です。それに対し、「攻めのIT」はITというツールを使い自社の売上アップを目的としており、相手には必ずその企業の「お客様」が存在します。

 

自社に向き合う「守りのIT」

顧客に向き合う「攻めのIT」

 

どちらに向き合うのも大事なことですが、施策の変更やシステム改修の頻度という切り口で考えると、顧客に向き合う「攻めのIT」の方がシステム的な改修頻度が多いのです。

自社の業務プロセスの見直しと自社の売上アップのプロモーション企画、どちらが頻繁に行われるかを考えれば、断然後者であることは歴然です。

 

「攻めのIT」システムの特徴は改善し続けることにあります。
顧客に対する売上アッププロモーションをシステムで実現しようとすれば、システムの改修は日常的に付いてまわることは避けられません。
プロモーションは試行錯誤の連続です。システムを構築する際、改修が必要ないように、ある程度の柔軟性は持たせられますが改修なしでの対応には限界があります。
「攻めのIT」は、プログラム改修をし続けるシステム、言い換えれば、システムの完成形は存在しないとも言えます。

 

「ITプロジェクトの環境が大事、そのためには経営者の支援活動が大事」
という事を繰り返し述べていますが、導入するITシステムによって支援活動の期間が違うことは心構えとして前提に捉えておく必要があります。

 

どのようにITプロジェクトの環境を整えるのか?の前に「攻めのIT」と「守りのIT」の違いを前提として知っておきましょう。