Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.89 本当に価値ある仕事を創出する

 コラム

本当に価値ある仕事を創出する

 

日本企業の生産性の低さは世界的に見ても低水準であり問題視されています。さらに、労働時間が長いことによって長時間働いて生産性が低いという構図が出来上がっています。生産性が低く長時間労働であるという構図は、少子高齢化社会などの社会的背景と関連し大きな社会問題となっています。そのような中、IT業界でも低い生産性や長時間労働は、切っても切り離せない問題となっています。

 

IT業界における長時間労働の理由の一つに「やらなくてもいい仕事をやっている」という原因があります。目の前の仕事をしている本人に「やらなくてもいい仕事」の自覚は無くても、客観的に見て「やらなくていもいい仕事」で貴重な時間を消耗しているケースが多いのです。

 

「やらないくていい仕事」には「今やらなくてもいい仕事」も含まれます。「今やらなくてもいい仕事」は優先順位を間違えている仕事であり、他にやるべき重要なことがあるのに枝葉の部分ばかりに目がいってしまう状態です。いずれにせよ、本当にやるべきことから外れてしまっている状態だと言えます。

 

本当にやるべきことを外さないためには、客観的な視点と道を外れそうになった時に元に戻る力が必要です。

 

そのためにはリーダーシップが重要であることは容易に想像ができます。リーダーとはリードする人、すなわち導く人です。道を外れそうになった時に正しい道に導くことが出来れば
そこにリーダーシップが存在します。決してエライからリーダーなわけではありませんし、本来の役割をはき違えてはならないのです。

 

ITプロジェクトにおいて発注側がリーダーシップを発揮する重要性についてはこれまでも何度も述べてきました。発注側のリーダーシップには「本当にやるべき仕事」と「今やらなくてもいい仕事」を判断する力も含まれていると考えるべきです。

 

発注側にとって大事なのは「やらなくてもいい仕事」を発注しないことです。

 

仕事を受けるIT技術者にとっても、当然ながら「やらなくてもいい仕事」に対して情熱は湧きません。費用を払うとはいえ発注者の立場を利用して大した意味のない仕事をさせても良い事はひとつもありません。金さえ払えばよいという発想はプロジェクトの成功には何の役にも立ちませんし、上から目線は害悪でしかないのです。

 

本来は、受注する立場であるITベンダー企業が無用な開発は止めるよう提案すべきところです。しかし、売上を上げることが目的であるITベンダーにとって、仕事を断るのは難しいもので、なかなか上手い提案は出てきません。
ITベンダー企業が売上を上げることが目的なのは十分理解できますが、大前提として「価値のあるものを売る」ことが無ければならないのに、肝心な「価値」のないものを売ろうとしてしまう本末転倒なITベンダーは多く存在します。
発注側企業はITベンダーに頼り切るのではなく、自らの判断が必要なのは言うまでもありません。

 

「やらなくてもいい仕事」は誰の情熱もわきませんし、目先しか見えず「やらなくてもいい仕事」に熱心に取り組んでいたら誰かが修正してやらなければいけません。

 

近い将来に多くの仕事が機械に替わられるとしたら、クリエイティブな要素を持つ仕事しか人の手に残りません。クリエイティブな要素とは本当に価値ある仕事を創出することです。やらなくてもいい仕事に時間を掛けている暇などありません。