Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.85 マネジメントの前に環境を準備する

 コラム

マネジメントの前に環境を準備する

 

過去のコラムでも述べてきたのですが、IT導入プロジェクトの成功には経営者の支援が欠かせません。

 

IT導入はほとんどの場合「改革」となります。

システムを導入することで業務プロセスが変わるので、「変化を恐れる現状維持したい心理」との戦いでもあります。「変化を恐れる現状維持したい心理」は、現場の「抵抗勢力」として現れます。

 

そのため、プロジェクトマネージャーには、現場の抵抗勢力とよく話し合って折り合いをつける能力が必要ですが、同時に経営の支援を得る能力も必要となります。プロジェクトマネージャーがすべてを背負うのではなく、プロジェクトマネジメントの膨大なタスクをこなす為に緩急をつけた対応が必須であり、周りに頼れる部分は頼ることも必要となるのです。

 

経営者にとってのITプロジェクトは、ITプロジェクトの持つ特徴から考えても、体制を作り責任者に任せてあとは報告を待つだけでは上手くいきません。

 

ITプロジェクトを成功させるには経営者の支援が必要です。

経営者の支援を得られないプロジェクトは、どんなに優秀なプロジェクトマネージャーを社内に招いても成功できません。経営者の支援が無いということは、プロジェクトマネジメントの手腕に関係なくプロジェクトの難易度が勝手に上がってしまうからです。

 

炎上したプロジェクトを立て直す場合、どの段階での立て直しをするかにもよりますが、まず最初にすべきは経営者とプロジェクトの関係性を明らかにすることから始めます。残念ながら、プロジェクトが暗礁に乗り上げたから経営者の支援が必要なのではなく、もっと早くから経営者の支援があれば暗礁に乗り上げずに済んだことも多いのです。

 

プロジェクトのマネジメント手法も大事ですが、マネジメント以前にプロジェクトを取り巻く環境の方がもっと大事です。

 

ITプロジェクトは、ほとんどの場合「改革」となるので、他の業務や現在進行中かもしれない他のプロジェクトとの関係性があります。つまり、ITプロジェクト単体では完結しないということです。

 

ITプロジェクトを単体で考えているうちは成功は運頼みなのです。ITプロジェクトを取り巻く環境を整えることで成功確率は格段に上がります。

 

本当に優秀なプロジェクトマネージャーは「成功する環境」を創ることも欠かしません。プロジェクトを優秀なプロジェクトマネージャーの手腕に頼るだけでは勝率の低い博打と同じです。それよりも経営者の支援によって環境を整える方が勝率は上がります。自分で「成功する環境」を準備できるプロジェクトマネージャーにとってもマネジメントに専念させた方が得られる結果に期待できます。

 

必要な経営者の支援とは特別な何かではありません。
ITプロジェクトを推進する組織の状況によりますが、多くの場合「ITプロジェクトを知ろうとする」だけでいいのです。

 

経営者のITプロジェクトに対する無知無関心が最大の失敗要因になりうることを忘れてはいけません。