Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.84 誰かにITの事を相談する前に

 コラム

誰かにITの事を相談する前に

 

中小企業で特にIT部門を社内に設置していない組織では、「ITについての相談先」は限られます。そもそも、ITについての相談などこれまで一度もないという組織も多いかもしれません。とはいえ、ある程度事業や組織の規模が大きくなれば「IT」や「システム」について考える機会も増えてきます。

 

中小企業のITに関する悩みの相談先は、税理士など士業の先生や横のつながりがある同業者などが多いものです。この場合、相談といっても直接の悩みを解決してくれる場合は少なく、ITベンダーなどの他に詳しい人を紹介してもらう場合が多いと思います。商工会議所などを利用する場合も同様で、専門家の紹介に頼る事となります。

 

人から誰かの紹介を受ける時、落とし穴に注意しなければいけません。
信頼できる人からの紹介ほど、紹介された専門家を盲目的に信用してしまうからです。

 

そして、ITの相談は範囲が広すぎて専門分野も細分化されています。例えば社内にシステムを導入することも社内のパソコンの修理もどちらもITの相談ですし、自社ホームページのアクセスアップもITの相談です。ITの相談という大きなくくりだけで考えていると、本当は細分化された専門性に気付かず、本当は専門家ではない人に対し熱心に相談していることもあるわけです。

 

信頼できる人からの紹介だから信頼できる人にちがいないという心理とITの相談という大きなくくりだけで考えて、ITに無知であればあるほど細分化された専門性に気付かないという2つの落とし穴には注意しなければいけません。

 

では、どうすれば落とし穴を回避できるのか?ですが、
まずは解決策は外部からもたらされるのではなく内部から湧き出てくるものという認識を持つ必要があります。

 

確かに、外部からのアドバイスや開発したシステムは外部からもたらされる物ですが、これらはあくまでもツールでしかありません。外部からのツールが合うか合わないかは内部の「在り方」次第です。

 

同業他社で上手くいったことが必ずしも自社で上手くいくとは限りません。他社は他社であり、自社とは条件が違います。自らを知ろうとすることなく外部からの解決策頼みではギャンブルでしかありません。上手くいくかもしれないし、上手くいかないかもしれません。

 

大規模なシステム開発では、RFP(Request For Proposal:提案依頼書)を作ることが一般的ですが、RFPを作るためにコンサルを入れるようなこともあります。これは非常に要注意ですが、深掘りすればするほど自社で完結させることや自社でしか知りえないことを明らかにする作業が必要になります。そこに対してコンサル頼みということは自らすべき作業を放棄したと同義です。足りないツールを補うはずがいつのまにか丸投げになってしまう危険のある事例です。

 

いかにツールが優れていようと使いこなす根本が違うと効果はありません。
根本を知るためには自らを知ることが必要です。組織の場合、便宜上とはいえ部門を分けて担当者を設置しているため、本当の意味で「全体像を知る」ことが難しくなっています。

 

自らの組織全体を自分自身で見て知ることが最初の一歩となります。そうすれば、今何が足りなくて何を必要としているのかが明確となり相談すべき相手や相談すべき相手にふさわしいかの判断がつくようになります。

 

「自分を知る」ことは個人だけでなく組織にとっても大事なことです。