Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.83 情報を「当たり前に考える」こと

 コラム

情報を「当たり前に考える」こと

 

前回は、発注側プロジェクトマネージャー育成の前提には「察する力」が土台となることをお伝えしました。プロジェクトマネジメントの具体的なスキルは学ぶことができても、根本がズレていたら何の意味もありません。今回は根本にあるべきものの一つである「当たり前に考える」ことについてお伝えします。

 

「当たり前に考える」のは、簡単なことのように思えてこれほど難しいことはありません。

 

私たちの周りには「情報」が溢れかえっています。情報を仕入れることは良い事のように思えますが、有益なことばかりではありません。情報を鵜呑みにすれば考えることを放棄することとなり、情報によって先入観や思い込みを持たされることにもつながります。

 

考えてみれば当たり前の事ですが、目の前の「情報」は間違っている可能性もあるわけです。権威のある人が言っているから正しいと判断するのか、発言する人を信用しているから正しいと判断するのか、場合によってそれそれですが、それでも嘘または正確ではない情報を掴まされる可能性はあるわけです。

 

ITプロジェクトの現場では様々な情報が行き交います。
プロジェクトマネージャーの「気になる情報」の最たるものは「進捗管理」に関わる情報ですが、進捗報告もまた間違っているかもしれない情報の一つです。

 

「当たり前に考える」ことができないと、情報を鵜呑みにして考える事を放棄してしまいます。進捗管理の例で言えば、表面上の数字にとらわれて実際に現場で起きている問題に気付けないなどで、炎上の火種を見過ごしてしまうケースはよくあります。
これは、情報が合っているか間違っているかの問題ではありません。情報を自分で考えて自分の考えを再構築できるかの問題です。

 

そして、情報そのものに感情的な要素は不要だということも忘れてはいけません。例えば、間違った進捗報告があったとして、その間違いを責めるのは意味がありません。なぜそうなったかを把握しプロジェクトを正しく運営する方に力を注ぐべきです。あくまでも情報には感情抜きで接する必要があります。

 

「当たり前に考える」ことが難しい理由は、溢れる情報によって考えることを放棄してしまったり、情報に対し判断が必要ないと錯覚してしまうことにあります。

 

「当たり前に考える」という技術は誰かから教えてもらうことは稀だと思います。しかし、IT化によって自動車の自動運転や人工知能の技術が進むことは自明であることから、人が当たり前に考えることはとてつもなく重要な意味があります。

 

ITを御するには考えることを止めては駄目です。ITプロジェクトのマネージメントも同様です。発注側がシステム導入を発注側ITベンダー企業に丸投げしてしまえば、考えることを止めたのと同義なのです。