Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.79 システム発注側から見るプロジェクトマネジメント

 コラム

システム発注側から見るプロジェクトマネジメント

 

「プログラムを書いたことのない人は優れたプロジェクトマネージャーになれない」というのが、IT業界の中では暗黙のルールとなっています。確かに、システムを創る側の立場であれば、プロジェクトマネージャーはシステムを創る実務部隊の責任者ですから、内情を知っている人物、すなわちプログラムの経験があり、システムを設計した経験がある人物が望ましいと言えます。

 

実際、私がこれまでに出会った優れたプロジェクトマネージャー達の多くはプログラムの経験があり、なおかつ、開発以外にも幅広い範囲(例えば営業など)を経験してきた方たちが多いのです。実務を幅広く経験し、その経験や視点の違いをプロジェクトマネジメントに活かしているのだと思います。システムエンジニアやプログラマーのキャリアプランを考えても、現場での実務経験を踏まえてプロジェクトマネージャーへとステップアップするのが王道とも言えます。

 

一方で、ユーザー企業(システムを導入しようとする企業)におけるプロジェクトマネージャーの位置付けはとても曖昧です。

 

ユーザー企業自らがシステムを内製しているのであれば、IT企業と同様にプログラム経験者がプロジェクトマネージャーへのステップアップが考えられます。しかし、システムの内製を行っている企業は少数派であり、ほとんどの企業はシステム導入をIT企業に発注します。企業のIT部門は、プログラム経験者を中途入社で雇うことはあっても、ほとんどがプログラム未経験者の人員構成になります。

 

このような背景から、ユーザー企業ではプログラム未経験のプロジェクトマネージャーが多く誕生します。ただし、ユーザー企業のプロジェクトマネージャーは、IT企業側のプロジェクトマネージャーと明確に役割が違います。

 

問題は、役割の違う2つのプロジェクトマネジメントがごちゃまぜになっていることです。

 

特にユーザー企業側のプロジェクトマネージャーはIT導入プロジェクトのマネージャーとして何をやったらいいのかわからず、とりあえずIT企業に全てを丸投げしてしまうことで上手くいかないケースが目立ちます。

 

ユーザー企業のシステム部門は、以前のコラム(情報システム部不要論を考える)でも触れた通り、存続の危機にあります。その背景には未経験者が集まるIT部門の人員構成の問題もありますし、プロジェクトマネージャーの育成が上手くいかない現実もあります。

 

ユーザー企業側のプロジェクトマネージャーはマネジメントをするのに何が必要で何が現状足りていないのか知る術がありません。このことは発注先のITベンダー企業は教えてくれません。

 

ユーザー企業にとっては、よく分らないままプロジェクトマネジメントを進めるのではなく、また、これまでの過去の経験や慣習のみに頼るのではなく、発注側のプロジェクトマネジメントを知り対策をすることでプロジェクトの成功率を上げる必要があります。

 

発注側プロジェクトマネジメントのキモはこれまでに述べてきたように「プロデューザー視点」なのは間違いありません。苦手なITを克服する「プロデューサー視点」

 

今の時代、業務におけるITの利用は避けられないので、誰でも何らかの形でITと接しています。社内にITを専門に扱うIT部門があってもなくても、ITに関係する仕事は存在するわけです。今がITに関わる仕事を再定義する絶好のタイミングなのです。