Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.78 なぜITベンダーの言葉に騙されるのか?

 コラム

なぜITベンダーの言葉に騙されるのか

 

システムを発注する側にとって身近な専門家はITベンダー企業です。システム導入時にはITベンダー企業に相談をしたり提案を受けたりしてシステムを構築します。ここでの「発注者と受注者の振る舞い」が噛み合わないために失敗プロジェクトを生み出す構造はこれまでに何度も述べてきた通りですが、噛み合わない大前提となるものについても触れておく必要があります。

 

当然ですが、発注者と受注者は立場が違います。
立場が違うので発する言葉の意味も違ってきます。

 

例えば「プロジェクトの成功」という共通のゴールは発注者と受注者の共通の認識です。しかし、立場の違いからその言葉に多少のズレがあることを忘れてはいけません。

 

発注者である企業は、プロジェクトの成功とはシステムが稼働後に望んだ結果を出すことまでを含んでいます。IT導入が目的ではなく、IT導入によってもたらされる価値が最も重要です。

 

対して、受注者であるITベンダー企業はプロジェクトの連続で収益を得ているので、ひとつのプロジェクトの成功が次のプロジェクトのスタートでもあるわけです。多くの場合アフターフォローがあるので「売りっぱなし」ではないものの、プロジェクトの完了が一区切りであることに変わりありません。

 

単純に「プロジェクトの成功を一緒に目指しましょう!」だけでは微妙なズレを放置したままなのです。

 

実際にITプロジェクトがスタートすると、どうしても目の前の作業に集中してしまうので、プロジェクトの完了だけに目がいきがちになります。そして、専門家の立場としてプロジェクトを主導するITベンダーが発する言葉には「プロジェクトの完了がゴール」という言葉の裏の意味がありますから、その言葉にただ乗っかるだけでは発注者としてのプロジェクトゴールとのズレを抱えたまま進むことになります。

 

ITベンダーの言葉を疑えと言っているのではありません。ITベンダーの発する言葉の真意は何かを常に意識する必要があるのです。そして、発注者である企業にとっての本当のゴールは何かを見失う事の無いようにプロジェクトを推進すればよいのです。

 

もしもこれまでにITベンダーの言葉に騙されたと感じる経験があるのなら、立場の違いによる言葉の意味のズレが無かったどうか振り返ってみてください。

 

騙されたと感じる原因の多くは「立場の違いによる言葉の意味のズレ」です。

 

「騙された」「言い包められた」と感じる前に、立場の違いによる発する言葉の違いに目を向けましょう。今後、ITベンダーとの打ち合わせや提案を受ける際には、立場の違いを前提にして相手を理解しようとする気持ちを持ってください。

 

ITプロジェクトでは発注者と受注者の立場を超えたチームワークが必要です。

人は自分の理解を超えた物を拒絶する習性があります。ITがわからないと自分の理解を超えた存在として拒絶の対象となってしまい、結果としてチームで仕事をする妨げとなります。

 

「相手を理解しようとする」ことが根底になくてはITプロジェクトは成功しません。