Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.75 情報システム部不要論を考える

 コラム

情報システム部不要論を考える

 

今や企業の情報システム部(IT部門)は存続の危機にあります。情報システム部は社内のIT関連のお守役という概念は通用しない時代になりました。これは、情報システム部の仕事が無くなったという意味ではなく、情報システム部の仕事が変容しているにも関わらず、昔ながらのIT部門の仕事にこだわった結果、存続の危機に瀕しているという意味です。

 

ITに関わる仕事という切り口で見れば、業務のIT化やデジタル化は当たり前なので、仕事そのものは増えています。ただ、その増えた仕事というのはシステムの利用者が担える領域であることが多いのです。

 

テクノロジーのみならずITを取り巻く環境はどんどん変わっているのに、「社内のITのお守」という役割しかできないのなら情報システム部など不要です。

 

情報システム部(IT部門)が無くなったら、その仕事は何処へ行くのかというと、システム利用部門や他部門へ振り分けらるか、場合によっては外注先に委託という形態になるでしょう。

 

このようにIT部門の役割は再編されつつあります。
ここで大事なキーワードがあります。そのキーワードとは「集中と拡散」です。

 

IT業界のトレンドは「集約と拡散」を繰り返しています。

例えば、かつてホストコンピュータと言われた大型汎用機は情報をすべてそこに集約させて演算処理を行っていました。その後、ダウンサイジング、PCの普及という流れの中で「クライアントサーバーモデル」というクライアント端末側でも処理を行う拡散型が主流となりました。そして現在、再びクラウド環境にすべてを集約させる流れになっています。

 

このように、振り子のように「集約と拡散」を繰り返しながら螺旋階段を上るようにテクノロジーを進化させて新しいトレンドが生まれます。

 

企業のIT部門も例外ではありません。
ITに関わる仕事を集約すべく情報システム部が誕生しましたが、誰でもITを扱えるようになった今、多くの仕事がITの利用者に拡散しています。かつてITの仕事を集約していた背景には、コンピュータを扱えるだけでスゴイと思われた時代背景があり、その当時と同じような役割を引きずり続けることなど時代錯誤であることがわかります。

 

拡散の流れにある情報システム部門は再編成が必要です。
仕事が拡散したとしても、IT導入プロジェクトの推進など情報システム部に残る仕事はあります。

 

どんな情報システム部門に再編成するのかを論ずる前に、必ず必要なのは「全体を視る目」です。再編成の結果、「経営企画」のような肩書きを持つIT部門になったとしても、必要なのは「大局観」です。

 

経営者がIT音痴ではダメですが、もう一歩踏み込んで、自社のIT部門の役割にも無関心であってはダメです。必ずしも「情報システム部」という形である必要はありませんが、自社に強いIT部門を創るには従来のやり方ではダメだと知る必要があります。