Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.72 システムのコンセプトは具体的に言語化を

 コラム

システムのコンセプトは具体的に言語化を

 

前回はコンセプトを作ることの重要性をお話しました。システムのコンセプトは「誰に」「何を」「どうやって」この3つを決めることで決まります。コンセプトを軸にすることでプロジェクトが「ズレる」ことを防ぐことができ、判断基準になるので迷走することもなくなります。

 

コンセプトを作るのに必要なのは言語化する力です。

「誰に」「何を」「どうやって」のコンセプトを決めたとしても、言葉にできなければ意味がありません。言葉にできたとしても、表現があいまいで具体性に欠けていてもダメです。

 

文章とプログラムは密接な関係があります。
プログラムの設計書は文章で書かれます。すなわち、文章で書かれている表現がなければプログラムは書けないという事です。これは、プログラムを開発する側だけの事情ではありません。システム全体を考えた時、最上流となるシステムのコンセプトが文章化されていなければ一貫性を保てないという事です。

 

コンセプトを上手く言語化するにはあいまいな表現は避けなければなりません。

 

例えば
「便利な」システムとは、何がどう便利なのか
「柔軟な」システムとは、何がどう柔軟なのか
「経営理念に沿った」システムとは、何がどう経営理念に沿っているのか
などです。

 

あいまいな表現であればあるほど、受け取った人の解釈がバラバラになります。プロジェクトにおいて、参加メンバーが思い描く景色がそれぞれ違うことは危険な状態です。それぞれのメンバーが、思い描く自分の解釈に合わせて足りない情報を自分で補完するのでプロジェクトの舵取りに失敗し迷走します。

 

立派なコンセプトが出来たとしても油断は禁物です。上記のようなあいまいな表現はNGだし、立派に見えるだけで分りにくいカタカナ用語を使う表現もNGです。

 

そして、システム導入におけるコンセプトは、発注先ではるITベンダー企業に丸投げしてはダメです。そもそも、発注先ITベンダー企業を選定する前に、大まかなコンセプトは決まっているはずです。最終的にITベンダー企業を交えてコンセプトを一緒に仕上げるというスタンスで考えておかなければ危険です。システムを導入する側が、最も大事なコンセプト決めを先送りにしてはいけません。

 

プロジェクトが成功するかどうかはプロジェクトマネージャー次第という風潮があります。確かに間違いではありませんが、なぜ成否が人次第になってしまうのかを丁寧に紐解くと、
やるべきことをやっていない、個人に頼りきりで組織としてのバックアップが無いなどの組織の問題も多くあります。

 

システムにコンセプトを与えることは、まさに必要な「やるべきこと」です。
今やシステムのコンセプトを決めることが当たり前になり、さらに、ITベンダー企業に頼るのではなく、システム構想は発注する前に整えておくことが当たり前になりつつあります。

 

変化の速いITは、常に「人とITの関わり方」を定義し続ける必要があります。過去の慣習にとらわれない方法にしか未来はないと言えます。