Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.71 コンセプト無きシステムは迷走する

 コラム

コンセプト無きシステムは迷走する

 

売れる商品には必ず商品コンセプトが存在します。そして、情報システムについても同じ事が言えます。成功するシステムにはコンセプトがあるし、成功するITプロジェクトにもコンセプトがあります。

 

何か形あるものを創ろうとすると、色々なアイデアが浮かんできます。浮かんでくるアイデアは全て採用されるのではなく、中には相反する考え方で矛盾を含むものや不採用となるアイデアもあるわけです。この時、何かを基準にして自分の中の採用基準が形作られるはずです。この基準こそがコンセプトです。

 

コンセプトさえしっかりできていれば、「ズレる」ことはありません。
プロジェクトの方向性を失い、迷走することもありません。

 

システム導入のプロジェクトでも、様々なシステムに対する要望が出てきます。多くの場面で、予算の都合で機能の実装を見送る場合が多いのですが、仮に予算に制限が無くいくらお金を使っても良いという条件だったとしても、全ての要望を実現することは不可能です。

なぜなら、要望をコンセプトに沿って選別しなければ、システム構築は迷走しプロジェクトは空中分解するからです。お金さえあればプロジェクトが成功するわけではないのです。

 

システムに実装する機能を選別するとき、コンセプトが基準となります。コンセプト無きシステムが迷走する原因は、実装する機能に一貫性を持てなくなるからです。

 

では、どのようにコンセプトを作るのか?
最初に定義すべきはシステムの導入目的ですが、目的を実現させるコンセプトを決めるのに必要なのは3つです。
「誰が」
「何を」
「どうやって」
この3つが必ず必要となります。

 

かつての業務の効率化を目的とした「守りのIT」が主流だったころはシステムで解決したい課題が明確でした。しかし、新しい価値を創ろうとする「攻めのIT」ではスタートの段階で課題がはっきりしません。業務改革をテーマとするシステム導入の場合は、「守り」の要素と「攻め」の要素が混在します。

何が過去から引きずる現状の課題なのか、何が未来に実現したい要件なのか、しっかりと整理するためにも「誰が」「何を」「どうやって」から成るコンセプト創りは欠かせません。

 

システム創りの現場では、どんなシステムを創るのかを検討する要件定義の段階で、要望だけを伝えていてはシステムは形になりません。要望を実現するためには、より具体的により明確に言葉を定義し言語化するしかありません。

 

システム導入の言語化を省略してはダメです。
プロジェクトに参加する人を奮い立たせるのもチームをまとめ上げるのも「言葉」の持つ力だからです。