Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.69 パッケージソフトに合わせる技術

 コラム

パッケージソフトに合わせる技術

 

前回はパッケージソフトの導入はノンカスタマイズで最大の効果を発揮するという内容でした。では、カスタマイズに頼ることなくパッケージソフトをそのまま運用するにはどうすればいいのでしょうか。

 

パッケージソフトをそのまま運用することは、当然のことながら、業務プロセスをパッケージの仕様に合わせることが必要になります。しかし、それが難しいのでカスタマイズするという代替案になるわけです。

 

これまで色々な業種の基幹システムを見ていて思うのは、システムを導入しようとする企業すなわち発注側企業は、必ずと言っていいほど「うちの会社は特殊だから」とか「うちの業界は特殊だから」というような発言をされます。

 

確かに、日本の商習慣は複雑ですし、業種によっては独自の特徴的なルールがあります。だからと言って、独自の特徴的ルールをまったく見直しせずにそのままシステムに組み込むことは止めた方がいいでしょう。ルールだから慣習だからという理由だけで継続するのでは進歩はありません。

 

特に、業務のデジタル化でこれまでのやり方が一変するような時代に、変化の足枷になるようなこだわりは捨てたほうが良いです。もちろん、取引先との力関係などでルールの変更が難しい部分も多々あると思います。ルールや慣習の変更が必須なのではなく、まずはルールや慣習の存在そのものを考えることが必要です。思考停止になるべきではありません。

 

特殊なルールや独自の特徴的なルールが、他社との差別化となって長所となることもありますが、そうではない場合がほとんどです。後からずっと放置していたルールや習慣を変えるのはかなりの労力が必要なので、最初から変化に対応しやすい土壌を作っておき、業務プロセスを変更しやすい環境を整えておくべきです。

 

パッケージソフトに合わせる技術とは、思考停止によって流されるのを止めることであり、カスタマイズによって何が起きるのかの影響を理解することです。

 

カスタマイズによる問題解決は、病気と薬の関係に似ています。
特効薬があるからといって率先して病気になる理由はありません。当然、最初から薬をあてにすることは良い事ではありません。何より大事なのは、薬に頼らず健康であることと、そもそも病気になりにくい健康な体を維持することです。

 

病気をカスタマイズ要件、薬をカスタマイズとして考えれば、最初からカスタマイズを当てにするのは間違いだと分ります。薬があるから不健康で良いというのは間違いですから、カスタマイズのない健康状態があるべき姿のはずです。

 

肝心なのは、カスタマイズの実態を知っているか知らないかであって、それを踏まえて最初に「カスタマイズをしない方針でいく」と宣言できるか、ただそれだけです。

 

カスタマイズは薬です。
薬を服用し続けるのが本来の健康な姿ではないことを最初に知るべきです。