Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.60 システムの見積金額が高くなる理由

 コラム

システムの見積金額が高くなる理由

 

システムの新規導入や既存システムに追加で改修を入れる場合、ITベンダー企業から提示された見積金額を見て「えっ!こんなに高いの?」と驚くこともあるかと思います。

 

それぞれのシステムに適正価格があるにせよ、わざわざ金額を高くするようなやり方は避けた方がいいでしょう。今回はなぜシステムの見積金額が高くなるのかについて考えます。

 

システムの見積金額の提示が高くなる理由は、「不安だから金額を上乗せして担保する」のがほとんどです。

 

例外的に、本当は断りたい仕事だからわざと金額を高く振る場合がありますが、これは本当に例外で、ほとんどのシステム見積は「不安だから」金額を上乗せしています。

 

この不安はどこから来るものなのかと言えば、打合せ不足による未決事項です。

 

そして、この打合せ不足は必ずしも努力不足によるものではなく、打合せをしたくても出来ない背景から来ています。システムはカタチの見えない物であり、まだカタチになっていない業務プロセスを前提に組まれものなので、最初の時点で詳細の打合せができないというのが本音です。

 

つまり、本当はもう少し深掘りしないと見積金額が出せないのに、とりあえずの概算金額を多めにはじき出している、という事になります。

 

システムを発注する側としては概算金額は知っておきたい情報です。だから、最初に見積が欲しいのは当然です。しかし、忘れてはならないのは、システム開発における最初の見積金額は限りなくどんぶり勘定だということです。

 

「もっと深掘りしないと見積金額が出せない」ということを考えると、見積行為そのものにかなりの工数がかかるということを意味しています。通常は発注前の見積は無料ですが、工数を掛けられない無料の見積に正確性を期待してはならない、ということです。

 

「最初はどんぶり勘定、深掘りして詳細が明らかにしないと正しい見積金額が出ない」この事を知っておく必要があります。知った上で、例えば多段階見積の契約とするなど、どう対応するかを考えればいいだけです。

 

システム開発の金額でもめるのは、大抵この前提を忘れて話を進めている場合がほとんどです。値引き交渉をしたい場合でも、この前提を理解して初めて値引き交渉が可能になります。システム開発の金額交渉は、見積明細の中に値引きできる要素と、絶対に値引きしてはいけない要素、この見極めが必要になります。

 

いずれにせよ、発注者として立場が上かのように振る舞うのはダメです。
システム開発の特性上、無料で手に入る見積書や提案書は時間をかけて作られたものです。発注側と受注側の立場でしか見れないということは大局的に見て損をしていますから、両社の関係を見直す必要があります。