Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.58 システム発注企業はどのようなIT企業と付き合うべきか?

 コラム

システム発注企業はどのようなIT企業と付き合うべきか?

 

企業が開発を伴う情報システムを導入する際に「どのようなIT企業と付き合うべきか?」を考えた時、これまでの常識は「提案力」や「価格」、そして「技術力」等でした。

 

確かに大事な要素ではありますが、本当にそれで良いかと考えるとそうではありません。

 

不十分な情報から出た提案には不完全なものが多く、そもそも疲弊したITベンダー企業に魅力的な提案が出来る可能性ありません。そして、形のないシステムを創るのに最初の見積金額はあてにはなりませんし、ITベンダー企業の技術力を公平に判断できる指標を持つのは難しい事です。

 

このように考えると「どのようなIT企業と付き合うべきか?」の判断基準はとても曖昧だったと言えます。結局のところ、開発を伴う情報システムの導入は「運次第」だったと言っても過言ではありません。

 

情報システムの発注にはRFP(Request For Proposal:提案依頼書)を作成して発注先を決めたりもしますが、やってはいけない間違いも多いものです。
例えば、コンペが形式化して発注先選定が目的になってしまう手段の目的化が起きるなど失敗例は後を絶ちません。RFPの作成にはもちろん意義がありますが、意義を十分に理解できなければ、やらない方がマシとなってしまいます。

 

発注側の落とし穴は、「発注者としての意識」にあります。

 

どういうことかと言うと、自分たちは発注者で発注先を選ぶ立場という「上から目線」があからさまに言わずとも態度ににじみ出ているということです。

 

このコラムでも何度も書いていますが、発注側がITベンダー企業を業者としてしか見ていないのなら絶対に上手くいきません。発注側企業と受注側ITベンダー企業は対等なパートナーでなければ成功はないのです。

 

表面上の言葉でいくらパートナーシップを唱えたところで言動が一致しなければ何の意味もありません。発注者が発注先選定の時から上から目線であれば、名目だけのパートナーが発注先として決まったところで既に失敗は目に見えています。これはRFPを作成するしないに関係なく、すべての相手先との関係について同様の事が言えます。

 

システムの発注前だからと言って発注側のワガママは通用しません。営業してくる相手に無料で貰えるものは何でももらう姿勢は「奪う戦略」です。

 

相手から奪うだけの「奪う戦略」は価値を生みません。奪うのではなく「与える戦略」こそが価値を生みます。そもそも価値のない所に価値あるシステムが創れるはずもないのです。

 

どのようなIT企業と付き合うべきか?の問いは、

「一緒に心中してもいい相手を選ぶ」しかないのです。

 

作業の丸投げや良い提案を待つだけでは良いパートなーシップを築けません。最高の仕事をする最高のパートナーを選ぶのは「運次第」ではありません。発注側の姿勢こそが成功の大前提なのです。

 

発注先の選定は、共に「与える戦略」を成し得る相手を選ぶべきです。
真のパートナーシップは「与える戦略」の上に成り立ちます。「提案力」「価格」「技術力」などの基準は必要ないとまでは言いませんが、後からどうにでもなるものばかりです。

 

今すぐ上から目線の発注者としての意識を捨てて真のパートナーシップを築きましょう。

情報システムそのものが企業の優劣を決めるのではなく、扱う情報を制することが優劣を決めるのです。

 

従来の間違った常識・情報は早く脱する必要があります。