Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.56 ITプロジェクトの空気を変える存在とは?

 コラム

ITプロジェクトの空気を変える存在とは?

 

前回まで、悪い「場の空気」に支配された会議が、いかに危険かという話をしました。そこでの意思決定は反論する雰囲気を許さず、判断の軌道修正すら難しくなります。

 

失敗するITプロジェクトは共通して場の空気が悪いのです。

 

では、悪い場の空気を作らないためには何が必要なのでしょうか。
それは、空気を読まない発言です。

 

空気を読まないとは、通常は良い意味ではありません。
しかし、悪い場の空気に支配された状態であればこれほど効果のあるものはありません。

 

あえて空気の読まない発言をすることで、淀んだ悪い場の空気を一新し、空気を入れ替える効果を持つのです。

 

例えば、会議の場で話が脱線しそうになったと感じたら
「わからないので教えていただきたいのですが・・・」
「そもそもの目的は○○であってますか?」
のように、話を振出しに戻すような発言をするのが有効です。

 

間違えてはいけないのは、話を振り出しに戻すことが目的ではありません。会議の参加者に問いを立てて、このまま議論を進めて本当に問題ありませんか?を問うのが目的です。

 

一般的に「そもそも論」を持ち出すと、話が振り出しに戻ってしまうので、途中まで進めていたメンバーからは良い印象を持たれません。しかし、振出しに戻すのが目的ではなく、現状の方向性で間違いないかの確認であれば影響は少なくて済みます。最初はあくまでも確認です。話を振り出しに戻すかは、現状の方向性を確認をしてからでも遅くはありません。

 

経営者やリーダーの立場として気を付けたいのは2点です。

 

1点目は自らが率先して空気を読むことです。

 

ITプロジェクトなどは現場に任せることも多くなりますが、プロジェクト全体の空気が悪くなっていないかは注視する必要があります。

例えば、進捗が悪いメンバーがいたり、体調不良で会社を休むメンバーがいたり、些細な兆候を見逃さず、場の空気が悪くなっていないかを気に掛けることです。

「プロジェクトに向き合う」「プロジェクトを視る」ということが経営者によるITプロジェクト支援行動の基本だからです。

 

2点目は空気を読まない発言を受け入れることです。

 

メンバーの中にはこれまでに述べたような理由から、あえて空気を読まない発言をする場合もあります。いつも反対意見を出すようなメンバーは遠ざけるのではなく、その理由を積極的に聴くべきです。様々な意見や多様性を受け入れることが良い空気を創ります。

良い悪いに関係なく、空気を創るのは影響力がある人です。
しかし、本当に重要なのは空気を変える力です。

 

その場にいるだけで、より良い方向に空気を変えることが出来る人が必要です。
経営者やリーダーの立場で、空気を変える存在であり続ければ、ほとんどのITプロジェクトは成功します。技術論の前に大事なことがあるということを忘れないでください。