Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.55 ITプロジェクトに必要な「場の空気」

 コラム

ITプロジェクトに必要な「場の空気」

 

重苦しい雰囲気・・・全員の顔が暗い・・・何も言えない雰囲気・・・あなたはこんな会議に出席したことはありませんか?

 

あなたがリーダーや経営者の立場であれば、このような会議の雰囲気作りの主導をしてはいけません。このような場の悪い空気に流されると、周りが良いと言っているから賛同してしまうなど、人を思考停止に導く恐ろしい効果があります。

 

例えば、A案を取るかB案を取るかの議論をするとき、当然ながらどちらにもメリットデメリットはあります。そこで、声の大きい参加者や影響力がある人が「A案以外ありえない」という意見を出したとします。

 

場の空気が悪ければ、本来なら一定の条件において正しいと思えることが、条件を無視してすべてにおいて正しいと勘違いしてしまい、誰も反論できない雰囲気を創ってしまいます。

 

A案のデメリットなど認めない、存在しないという場の雰囲気は果たして健全でしょうか。

 

このような空気の中での決定事項が、もしも間違っていて途中で変更が必要となった時、強行採決した内容の失敗を認めて方向転換するのは勇気が必要です。

声の大きい参加者や影響力がある人は、自分で言った手前、そうやすやすと自分のミスを認めることができません。

その結果、撤退の判断が遅れ、損切りできないで被害を拡大することもあります。あるいは、方向転換すら認めず惰性でそのまま進むのかもしれません。過去の判断を守るために保身に走る・・・そうなれば最悪です。

 

失敗の元をたどれば、あの時の何も言えない会議での判断・・・ということがあり得ます。

 

とはいえ、リーダーがその権限で判断し、メンバーを導くことが悪いと言っているわけではありません。悪い空気を創りだすことがいけないのであり、判断の際に問題やメンバーに向き合いきれないのがいけないのです。

 

間違いに気付いたら途中で変更すればいいだけです。判断も良い悪いもなく、どっちを選んでも良いのです。

 

プロジェクトは関係者の合意形成の連続です。
中でも、ITプロジェクトは先の見えない未来を予測し、見えないシステムを創るので
ブレない判断基準と決断する勇気が必要です。

 

多くの会社にとって本業ではないITだからこそ、ブレない判断基準が見えにくくなります。ITは本業ではないしわからない、丸投げしたい気持ちも分りますが、アウトソースと言う名目の丸投げは解決にはなりません。

 

ITプロジェクトの本質は人です。ITを知っているに越したことはありませんが、まずは人が優先です。IT以前の問題である人にできること、良い場の空気を創ることを意識しましょう。

 

元々日本人は「場の空気」に流されやすいとも言われています。
「あうんの呼吸」に代表されるように、多くを語らずとも分かり合える文化を持っています。しかし、「あうんの呼吸」は信頼関係がある間柄であることが前提です。

 

様々な価値観や利害関係が関係するITプロジェクトで、信頼関係を創るのも「場の空気」が必要です。