Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.54 IT導入を両面から視る

 コラム

IT導入を両面から視る

 

情報システムに関わる中で、システムの導入は「とにかく便利になりさえすればよい」と言った話をよく聞きます。他にも「売上に貢献できされすればよい」など、「○○さえすればよい」の話はよくあります。

 

IT戦略などは中小企業において最優先事項になることは稀なので、「○○さえすればよい」の話になりやすい事情もあるかと思います。

 

この「○○さえすればよい」という考え方には落とし穴があります。

 

物事を両面から考える視点はあらゆる場面で大事になります。
もちろんIT導入でも同様です。

 

例えば、ボタン1つで全自動で処理をするシステムを創りたい要望があったとします。

ボタン1つで全自動化する利便性はメリットですが、これまで人がやっていた仕事をシステムが担当することでどんな処理をするのか分らなくなるデメリットもあります。どんな処理をするのかわからなくなることで、古くなったシステムを入れ替えるときに苦労するパターンはよくあります。

 

結果として、ボタン1つで全自動で処理をするシステムを創るかどうかはどちらでも良いのです。メリットばかり目を向けるのではなく、デメリットもあること知る事が重要です。

 

良いアイデアにも少なからずマイナスの要素があることに気付けないとどうなるか。気付かなかったマイナスの要素が他で起きた結果の遠因となっていることに気付かない、あるいは、真の原因にたどり着くのに時間がかかる等の問題が起きます。

 

本来は原因の一次要因を解決しなければ再発は防げません。

一次要因を解決しないから、何度も同じ失敗を繰り返すことになります。

システム導入で失敗ばかりする企業は、一次要因を解決していないということです。そして「システム導入はトラブルばかり」という固定観念を植え付けてしまう悪循環に陥ります。

 

他にも「○○さえすればよい」という考え方の落とし穴はデメリットを視ないだけではありません。

 

考え方の視野を狭めてしまうので、本来ならば一定の条件において正しいと思えることが、条件を無視してすべてにおいて正しいと勘違いしてしまう「悪い空気」を創ってしまいます。

 

悪い空気に支配されれば、AかBかの選択を考えるとき、A以外は認めない、Bなど論外という雰囲気が場を支配してしまい、反対意見を出せなくしてしまいます。

 

反対意見のない会議ほど危ないものはありません。
反対意見があるのに場の空気が言わせない雰囲気を創っているのだとしたら、大問題です。

 

場の空気を創るのに一番の影響力を持つのはリーダーたる経営者です。
「○○さえすればよい」という意識でIT導入を牽引するとき、デメリットを視ない空気を創ってはダメです。

 

検証を重ねた結果、「○○さえすればよい」ことに集中するのと、検証なしで「○○さえすればよい」を推進するのでは、大きく意味が異なります。何事も必ず両面を視るクセは大事です。もともと、メリットもデメリットも同じ一つのモノなのですから。