Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.53 関係者も口にしないITプロジェクトの全工程とは?

 コラム

関係者も口にしないITプロジェクトの全工程とは?

 

前回のコラムでは、ITベンダー企業はプロジェクト全行程のうちの途中参加であり、ITベンダー企業からの提案をそのまま鵜呑みにすると危険だという話でした。

 

そもそも、ITプロジェクトの全工程とはどこからどこまでなのか?を詳しく見ていきたいと思います。

 

ITプロジェクトの全工程

 

簡易的に図で表すと、上記のようになります。

 

最初の工程は、「在り方から計画を練る」こと。
これはシステムの発注前に行われなければなりません。

 

システムの発注側企業では、ここで「提案依頼書(RFP)」の作成となり、発注先ITベンダーを決定する工程となります。

 

提案依頼書(RFP)を作成するほど大掛かりなシステムを求めていない場合でも、ここで何もしなくて良いかといえば、そうではありません。きちんと方針を固めておかないと、後の工程へ上手くつながらないからです。

 

提案依頼書(RFP)を作成しない場合でも、この時点でITベンダー企業からの提案内容を聞くことになります。しかし、発注側企業が受け身のままでは正しく工程が完了しません。

 

注意しなければいけないのは、ここでITベンダー企業からの提案を聞くということは、提案するベンダーの製品を買うか買わないかの話し合いになるので、そもそもシステムが必要かどうかを同時に検討するのは難しいのです。

 

「在り方から計画を練る」工程は、ITベンダー企業では受注前の営業活動としての位置付けです。ITベンダー企業にとっては、受注につなげるための営業活動であるため、当然、どうやって自社製品を売り込むかの提案になります。

 

では、提案依頼書(RFP)を作成する方が良いのか?というと、そうではありません。
提案依頼書(RFP)を作っても、形式的になりすぎて、いっそのことやらない方が良い事例は沢山あります。提案依頼書(RFP)が良い悪いではなく、「在り方から計画を練る」工程が存在することを知ることが大切です。そして、システム発注側の主導でできているか?が最も重要です。

 

また、ITベンダーの担当範囲外に最後の工程が存在します。

 

最後の工程は、「システムの効果を測定し、次期構想を練る」ことです。
これはシステムの稼働後に行われます。

 

ITベンダーの立場からすると、アフターサービスやシステムの保守対応でずっと発注側企業との関係が続いていると考えています。しかし、アフターサービスやシステムの保守対応は全体から見た一部にすぎません。ITベンダーの製品を軸として見るのではなく、あくまでも全体から見る必要があります。

 

システム導入後に本当に大事なのは、

「システムを導入した結果、効果があったかどうか」
「次のシステムを導入、もしくは改修をどのように行うか」
の検討です。

 

集客や広告は、その反応率をしっかり測定するのにシステムに関しては結果測定をしないのはおかしな話です。

 

「システムの効果を測定し、次期構想を練る」工程も発注側が主導でやらなければ、うやむやになってしまいます。

 

このように、ITベンダーの担当範囲は「途中参加・途中離脱」です。全体の流れを知らなければ、「ここは省略して良い」との判断はできません。全体を知り、全体を無理なくつなげることが最も重要になります。