Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.50 ITプロジェクト式 情報伝達のコツ

 コラム

ITプロジェクト式 情報伝達のコツ

 

前回のコラムでは、業務プロセスで「何のために、なぜやるか」が風化して誰もわからなくなってしまう事があるという話をしました。どうすればこのような事態を避けられるのか、情報伝達に焦点を当てて考えてみます。

 

多くの場合、現場の人事異動によって担当業務を引き継ぐとき、引継ぎが上手くできません。なぜかと言うと、表面的には業務マニュアルの引継ぎで満足してしまう場合がほとんどだからです。

 

マニュアルを見ればわかるという伝達のやり方は、その多くは「なぜ」を省略した伝達です。もしかしたら、伝達をする側も「なぜ」を知らないまま、後任に伝えようとしているかもしれません。

 

もちろん、業務マニュアルそのものが悪いというわけではありません。
効率化に役立つマニュアルにも良い面と悪い面があるということ、そして悪い面は誰も教えてくれないという事を知っているかどうかなのです。

 

また、伝達の度に「伝言ゲーム」が起きるということも知っておく必要があります。

伝言ゲームが起きると、最初の発言者の意図が他の人へ伝わる途中で内容が変わってしまい、最終的に違う意味を伝えてしまいます。

 

組織が大きくなれば、情報伝達は避けられませんが、それだけではありません。組織の大きさに関係なく、経営トップの意思を伝えることはどんな組織でも必ず必要になります。

 

その時、大事な情報が途中で誤った解釈をされることは避けなければいけません。
解釈の違いが、本来の優先順位を入れ替えてしまい、目的を見失うことになるからです。

 

ITプロジェクトの現場では特に目に見えないシステムを創ろうとするので情報の伝達は難しくなります。難しいがゆえに、情報の伝達不備により、思っていたの物と違うシステムが出来てしまう失敗事例も少なくありません。しかし、難しさの反面、ここで培った情報伝達のノウハウは別のいかなる業務でも活用できるということでもあります。

 

経営者と社員の伝達であっても、担当者間の伝達であっても、根底にはつながり方が大事になります。

 

・大事な情報はちゃんと伝わるまで何度も繰り返す
・意思の疎通に誤解がないか都度確認をする
・効率化を意識するあまりコミュニケーションを怠らない
など、つながり方を意識する方法はいくらでもあります。

 

自分たちの組織の中で、情報の伝達が上手くいっているか振り返る機会は少ないと思います。しかし、失敗プロジェクトの原因を追究すると必ず出てくる要因であり、その多くは真の原因として気付かれず、他の表面的な原因追求と対応策で終わってしまいます。

 

上手くつながることで避けられる問題があることを知っておく必要があります。