Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.49 「なぜ?何のため?」IT導入で問う本質

 コラム

「なぜ?何のため?」IT導入で問う本質

 

あなたは、Windowsパソコンのハードディスクが、なぜCドライブなのか、なぜAではなくCから始まっているのかをご存知でしょうか?

 

Windows95や、その前のWindows3.1とか、その時代を知っている方はご存知かと思います。知らなければ、よほど興味を持って調べない限りわからない話でしょう。

 

かつて、フロッピーディスクというものがあり、それを起動させるのがAドライブとBドライブでした。現在は、そのフロッピーディスクがお役御免になり、Cドライブしか残っていない今の状態になりました。当時のフロッピーディスクは、今では考えられないほどの小さい容量でしたが、必要だったから存在したのです。

 

むかしのパソコンを知っている人からすれば、「そうそう!」という話です。もしくは、知らなかった若い世代の人は「そうだったのか!」と思う話かもしれません。

 

なぜCドライブなのか?は、ほんの一例ですが、どうしてこうなったのか?が風化して誰もわからなくなってしまうことがあります。

 

企業でITを導入しようとする時、ほとんどの場合、業務改革が伴います。規模の大小はあれど、業務プロセスの見直しや変更があり、変更に伴う体制の変更が発生します。

その時、これまでの業務プロセスを改めてよく見てみると、「なぜこの処理をするのか?只のルールとしか教えてもらっていない」と気付くことはよくあります。

 

業務プロセスの「何のために、なぜやるか」が風化して誰もわからなくなってしまうのです。

 

既存のシステムを新しいシステムに変えようとした時、そこには多くの風化したストーリーが埋もれています。だから「新システムは今と同じシステムを作ってほしい」という要望は原則としてありえません。どうしてこうなったのか?の経緯を掘り起こし、仕組みをそのまま引き継ぐかの検討が必ず必要だからです。

つまり「今と同じシステムを創れ」は「失敗する仕組みを創れ」と同義です。

 

現場の人事異動によって担当業務を引き継ぐとき、「何のために、なぜやるか」をしっかり引き継げれば問題は大きくなりません。しかし、多くの企業では、様々な理由により、「業務の引き継ぎ」が上手にできません。
あるいは、現場の人事異動は無いが、古参メンバーだけがノウハウを持っており、いわゆる属人化が起きているケースでも「業務の引き継ぎ」が課題となります。
引継ぎ内容の精度を上げることも大事ですが、ひとりひとりが「何のために、なぜやるか」を考えることができる人材に育つ事が、より大事になります。

 

経営の立場から、自社に風化したストーリーがどれほど埋まっているか、想像してみてください。定期的に業務プロセスを見直すことと、課題に気付く人材を育成することが組織を強くするために必要だとお気付きになるはずです。

 

IT導入プロジェクトはこれらを見直す絶好の機会です。
機会を最大限に活かすIT導入を一丸となって成功に導きましょう。