Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.41 攻めのIT・守りのITという新機軸

 コラム

攻めのIT・守りのITという新機軸

 

変化の速いIT業界ですが、今も新しい考え方や技術が登場しています。具体的なキーワードは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、人工知能、ウェアラブル端末等です。これらは既にビジネスの現場で使われつつある技術であり、その発展形はいずれ一般的になるであろう技術です。

 

変化のスピードの速さはITの特徴ですが、もう一つ最近の傾向としてハッキリしているのは、「攻めのIT」と「守りのIT」が分かれていることです。

 

従来の企業の情報システムは、基幹業務システムに代表されるように効率化や省力化を目標とした「守りのIT」がメインでした。これからは、WEBとスマホやタブレット端末を組み合わせたソリューションに代表されるように新技術を利用した「攻めのIT」が間違いなく主流になります。

 

「攻めのIT」と「守りのIT」はアプローチの方法が全く違います。
「守りのIT」は企業の情報システム部門の歴史に起因するこれまでのやり方が通用します。しかし、「攻めのIT」は、新技術を使ったこれまでにない新しい考え方の上に存在するので、これまでのやり方は通用しません。

 

これまでのやり方が通用しないのに、無理にこれまでのやり方に押し込めようとするから歪みが生まれます。だからIT導入プロジェクトが上手くいかないのです。

 

システムを導入するにあたり、どのようなシステムを作るか?を決める工程である要件定義は非常に重要です。要件を俯瞰してみると、攻めの要素と守りの要素が混在しているはずです。多くの場合、攻めと守りの混在を放置したままプロジェクトを進めてしまいます。攻めと守りのアプローチが違うのに画一的な対応を進めるので失敗の原因となります。

 

例えば、システムの老朽化による入れ替えが必要という守りの要素と、売上アップの施策のための機能追加という攻めの要素の混在を同じやり方で一度に進めようとします。この場合、前回のコラム(IT導入は「階段を一段ずつ上がる」)でも述べたように、段階を分けるやり方のほうが上手くいきます。

 

要件定義に関して、ITベンダー企業がしっかりとアドバイスをくれるのかといえば、そうでもありません。ITベンダー企業の担当者のスキルにもよりますが、要件の優先順位付けや攻めと守りの振り分けまで介入できないのがほとんどです。

 

残念ながら、ITベンダー企業はIT導入に本当に必要な情報を教えてくれません。
だからこそ、ITベンダー企業に丸投げして言いなりになるのではなく、発注側が主導権を持つことが大事なのです。

 

まず守りのITの領域を改善し、人とお金と時間の余裕を創り、その資源を攻めのITの領域で新しい事へ投資する。これが確かなアプローチです。

 

自分たちの専門領域が決まっているITベンダー企業はこのような提案はできません。ITベンダー企業への過度の期待は禁物なのです。

 

一部の大手企業で革新的なビジョンを持った企業は、率先して変化をリードすることで優位性を築いています。しかし、大手だから関係のない話というわけではありません。中小企業であっても、ITの変化の潮流を知り上手にITを活用することが優位性となります。

 

ITとの関わりの本質は変化に素早く対応できることです。どうしても動きが遅くなる大企業よりも素早く動ける中小企業の方が断然有利です。ITは専門的でわからないという思い込みをなくし、IT利活用に向き合いましょう。必ず他社との優位性を築けます。