Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.39 ITプロジェクトこそ、”trust but verify”(信ぜよ、されど確認せよ)

 コラム

ITプロジェクトこそ”trust but verify”(信ぜよ、されど確認せよ)

 

日本の企業は、アメリカ企業とは違ってIT技術者を自社で雇用しない場合がほとんどです。
ですから、システムの導入はIT企業への発注が一般的な形となります。

 

システムの導入は発注先へ丸投げすると失敗します。発注先任せではなく、共創するチームを組むことが重要になるのです。

 

コミュニケーションの重要性は自社内のチーム作りでも課題となりますが、他社との混合チームとなればさらに難易度が上がることは想像できます。
ITプロジェクト失敗の理由は様々ですが、根底にあるのは、大事なところでチームワークが発揮できず、意識がバラバラになっているといった土台ができていないことが根幹だったりします。

 

他社を巻き込むプロジェクトチームをどうまとめるか?はとても重要です。

 

当然のことながら、発注者の立場を利用して相手をただの業者として扱っては上手くいきません。相手は上下関係のある業者ではなく、対等なパートナーとして接するべきです。

 

だからといって、接待の飲み会を開くというのは下策です。
私自身も、ひとつ作業の完了ごとに飲み会ばかり開くプロジェクトを経験しましたが、結果は上手くいったプロジェクトとはなりませんでした。
コミュニケーションによって仲良くなることと、プロジェクトのチームビルディングは明らかに違います。いわゆる「飲みニケーション」がプロジェクトの成功に役立たない理由はいくつかあります。一番の理由は、自分は飲み会が好きだが相手は飲み会が好きではないかもしれない、という相手の違いを理解できていないことにあります。

 

他社を巻き込むということは立場も考え方もが違います。これはもちろん、個人対個人の付き合い方も同じです。

 

”trust but verify”(信ぜよ、されど確認せよ)という言葉があります。
これは元はロシアのことわざで、1987年の中距離核戦力全廃条約の調印式でアメリカのレーガン大統領が引用した言葉だそうです。
さらに、宇宙飛行士の若田光一氏も、国際宇宙ステーションに長期滞在するメンバーとのコミュニケーションにもこの言葉を引用されています。

 

文化や習慣の違いを前提としたコミュニケーションこそが他社を巻き込むプロジェクトチームに必要な考え方です。マネジメント等の方法論を語る前に、大事な前提があるということを知る必要があります。

 

違いを前提とするからこそ、何が同じで何が違うのかを知る事ができます。そして、他社を巻き込むITプロジェクトは、それぞれが持つ違った専門性を教えあい、新たな価値を創ります。

 

ゴールは経営戦略実現のためのシステム(仕組み)を創ること。
発注側は自社業務という専門性を、受注側はITという専門性を、それぞれ持ち寄ってモノを創ります。そこへ運用が加わって仕組みが完成します。

 

「ITは専門的でわかりにくい」という先入観によって、チームを創る重要性を忘れてしまうのは非常に残念なことです。システムの発注時は、信頼できるパートナーを選びチームを創ることを忘れないでください。