Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.38 情報システムに対する経営者の支援行動とは?

 コラム

情報システムに対する経営者の支援行動とは?

 

社内情報システムの導入に失敗するパターンはいくつかありますが、経営者の支援行動がないという原因もまた多いのです。

 

ITプロジェクトの特徴として、専門用語を始めとした全員で共有できる言葉が少ないことが挙げられます。このことに気を付けなければ、同じ言葉がそれぞれの立場によって解釈が違ったり、専門用語の共通理解ができないなど、相互理解の弊害を招いてしまうのです。

 

例えば、何かの進捗が遅れているとしたら、ITベンダーが発する「進捗遅れ」と、発注側企業のシステム担当者の聞く「進捗遅れ」と、発注側企業の経営者の理解する「進捗遅れ」はそれぞれ意味が違ってきます。
これは、現場作業に近ければ近いほど専門性が増して、危機的な意味を持つのに対し、現場から離れれば離れるほど専門性から離れるので実感を持てなくなるためです。

 

言葉の解釈の違いを埋めるためには十分なコミュニケーションが必要になります。

 

情報システムの導入の過程において陥りがちな一例ですが、経営者などの上長へ、報告のための報告が発生していないか?は常に気を付ける必要があります。事前に関係者が打合せをして方向性を決めてから経営者への説明会議を開くということがよくあるのです。
説明会議の目的は経営者への情報共有です。もちろん、経営者へ理解してもらいやすいように事前の準備は必要でしょう。しかし、度を過ぎると経営者への説得方法をあれこれ議論する無駄な時間だけを過ごす事前準備にもなりえます。

やる必要のない事前準備に力を入れているとしたら、すぐにやめるべきです。

 

度を過ぎる事前準備が行われる場合、経営者がその情報システムに対し関与が少ないという特徴があります。

 

情報システムにありがちな大きな誤解は、「専門性の理解」です。
すべてをITの専門知識を持った専門家に任せれば良いかといえば、そうではありません。

ITというツールの専門性と、業務に関する自社の専門性、この2つが融合してこそ情報システムが成り立ちます。
一方的に専門家へ任せるのは間違いです。情報システムは自社の経営戦略実現に即した具体的手段ですから、関与せず丸投げにしてしまうことはありえないはずです。

 

ITは専門的で分かりにくいという認識は改める必要があります。
ITの製造に関わる専門性ではなく、自社業務に照らし合わせて、どのようにITを利活用するかの専門性は自社にあることを認識する必要があります。

 

情報システムに対する経営者の支援行動とは、まず最初にITの専門性に対する誤解を解き、自社の経営戦略実現のための情報システムに対する理解する姿勢を持つことです。

 

経営者が情報システムやIT導入プロジェクトの優先順位を上げたとしたら、報告のための報告など社内の無駄な作業は無くなります。どんなに優れたプロジェクトマネージャーが陣頭指揮を執ったとしても、経営者の支援行動無くして成功はありえません。