Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.32 プロジェクト計画を立てる本当の意味とは?

 コラム

プロジェクト計画を立てる本当の意味とは?

 

ITプロジェクトを進める上で、プロジェクト計画書を作ることが必要だとされています。プロジェクト計画書は主にITベンダー企業内で作成されるため、システムの発注側企業にとっては馴染みの薄い言葉です。

 

ITベンダーで用いられる用語ですが、システムの発注側企業にとっても重要な意味を持っています。なぜなら、経営の観点からITを語るとき、どんな目的の何のシステムを導入し、何を目指すのかは大事な経営計画となるからです。

 

詳細のIT導入まで踏み込まなくても、発注側企業にも概要を描いた導入計画書の必要性は存在します。そもそも、発注側と受注側の協業によりシステムの導入は成立するのですから、どちらか一方だけで立てる計画など意味がありません。計画があるとすれば両社で共有されて合意形成がなされているはずです。

 

この「共有し合意形成を行う」という事こそが、計画を立てる上で大事な役割を果たします。

 

計画を立てるとはいっても、「計画通りに進まないことが多いのだから必要性を感じない」というような意見もあるかと思います。また、「忙しくて計画まで立てている暇がない」「これから考えることが多くまだ決まっていないから書けない」等の意見もあるかもしれません。

 

確かに、計画を立てるまでもないプロジェクトはあります。少人数かつ自律した個の集団であれば必要が無い場合もあります。
しかし、多くの人員が関わり、時間と労力をかけて行うプロジェクトにおいては、互いの連携を強めないと各自がバラバラとなって無駄な動きが増えたり、結束力を失い空中分解する原因にもなります。

 

例えば、職業の制服やチームのユニフォームには、同じ制服を着ている者同士の連帯感を強める効果もあります。スポーツの試合では、同じユニフォームの仲間だからこそ連携を強め、素晴らしい連係プレーができる。そんな経験もあるのではないでしょうか。

 

同様に、計画を立てることも連携強化に役立ちます。誰が何をどうやって実行する予定なのか、これらを共有することで連帯感を生むことにつながります。

 

また、プロジェクトは内部ばかりに目を向けていると必ず失敗します。
プロジェクトから見た時の外的要因、例えば社内の別プロジェクトの干渉や、より大きな経営判断などの介入に対応できなくなるからです。
多くの人員が関わり、時間と労力をかけて行うプロジェクトでは、計画をあらかじめ共有できる状態しておくことで外的要因の干渉から守ることができます。

 

計画を立てることで、内部に対しては、情報の共有により多くの人員のベクトルを合わせるツールとなり、外部に対しては、外的要因の干渉から防御するツールとなるのです。

 

計画は計画通りに事を進めることも重要ですが、もっと重要なのは内外に対する情報の共有です。

 

プロジェクト計画と聞いてしまうと、計画通りに進められるかどうかだけが重要視されがちですが、実は違う狙いがあります。大きな組織になればなるほど計画通りに進めることが重要になりますが、様々な要因で計画通り進まなかったとしても、大した問題ではありません。

 

計画通りに行かないことが大前提であり、計画外の事態に備え、柔軟に対応することが一番大切です。特に先の見えない未来予想であるITプロジェクトにおいてはこの傾向がはっきりしています。

 

計画通りにいかないからこそ計画を立てないのではなく、計画を立てるという上辺だけの表現に惑わされず、内外に向けた情報共有を意識してみてください。