Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.31 システム開発に必要な先読み力

 コラム

システム開発に必要な先読み力

 

これまで繰り返しコラムの中で述べている事ですが、システム開発はカタチの見えない未来予想です。未来を予想する力とは先を読む力とも言えます。今回は先読み力について考えてみます。

 

なぜ先読み力が必要なのか?を考える際に、2種類の失敗について確認しておく必要があります。

 

1つ目の失敗は「致命的な痛手を負う失敗」です。
これは文字通り失敗が致命傷となり、広範囲にわたる損失を招くレベルを指しています。
目標を立てて行動計画を立てるにあたり、「致命的な痛手を負う失敗」だけは負わないようにする必要があります。

 

2つ目の失敗は「学びになる失敗」です。
これは仮に失敗しても挽回可能であることや、その後の学びになる失敗を指しています。
長期にわたるプロジェクトでは、意図的に「学びになる失敗」を計画の中に織り込むことも可能です。

 

システム開発を考えた時、はたして失敗はどちらの種類に該当するのか?
これは事前に考えておく必要があります。

 

多くの人員を使い、多くの投資をするITプロジェクトは、失敗すれば「致命的な痛手を負う失敗」になるはずです。

 

そこまでリスクを負ってやるべきITプロジェクトなのかは最初に判断すべきですし、最初からITベンダー企業に丸投げしてしまえばリスクが潜んでいることすら気が付かないかもしれません。

これらのリスクを知れば、挑戦を見送るという選択肢もあるはずですし、どうやってリスクを小さくするかを検討することが大事になるわけです。

 

リスクを抑える方法は先読み力によって生まれます。

 

ITプロジェクトそのものが先の見えない未来予想だとしたら、遥か先の予想を立てるよりも、少し先の予想を立てるほうが精度が高いであろうことは予測できます。もし、少し先の予想を外しても、この時点ではまだ挽回可能な失敗の可能性が高いのです。
つまり、ITプロジェクト全体の失敗は致命傷だとしても、全体を細分化し構造化することができれば、そこに学びになる失敗を入れ込むことも可能になります。

 

少し先の予想を立てること、これは簡単に出来そうで、実は難しいことでもあります。
何か名案が浮かび、会議の場でそれを発表し、参加者の全員から賛同を得たとしても、その会議の場は、もし上手くいかなかった場合のことを考える余裕を無くしてしまっています。
もし誰かが反対意見を言ったとしたら、それは「空気の読めない奴」の発言として公平に評価されない可能性すらあります。

 

先読み力を身に付けることも当然大事ですが、先読み力を発揮できる土壌がなければ意味がありません。なぜ先読み力が必要なのかを組織内で共有し、フラットに意見を言い合える空気を作ることが出来れば、先の見えない未来予想の不安も、失敗するかもしれない怖さも、無くすことが可能となります。

 

忘れてはいけないのは、先読み力を含む提案をITベンダー企業からの受けるものではないという事です。システムの発注側であるあなたにこそ、先読み力が必要です。先読み力はIT専門のスキルではないのですから。