Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.29 情報システムは便利になりさえすれば良いのか?

 コラム

情報システムは便利になりさえすれば良いのか?

 

「とにかく今より便利になればいいんです。」そのようにおっしゃる経営者やシステム担当者の方は非常に多いです。確かにおっしゃる通りです。「この機能、ボタンひとつで全自動にならないの?」このようなご意見も多数いただきます。

 

情報システムにおいて便利になる、便利にするということはどのような意味を持つのか考えてみます。

 

システムが今より便利になるメリットは、
・仕事の処理速度がアップすることで作業時間が短縮し、それによって他に時間を使えるようになる。
・顧客や取引先の役に立つ仕組みをITで提供し、他者に満足度アップと利便性を提供できる。
などなど、色々考えられます。

 

しかし、デメリットについて語られることはありません。
便利になる事のデメリットは少ないのですが、あえて、便利になりすぎることのデメリットは意識する必要があります。

 

特に、全自動でできるほど業務を効率化できた場合、対象業務が人の手を離れることで何をやっているかがわからなくなってしまいます。そして、業務の担当者が変更になることで、後任担当者にオペレーション以外の作業内容が伝達されなくなるために「裏で(システムで)何をやっているかわからない業務」となってしまいます。

 

万が一その業務がトラブルで稼働しなくなり、復旧に時間がかかるような状況になった場合、本来ならば一時的に人の手でやっていた状態に戻るはずですが、何をやっているかわからない業務になってしまうと、当然手で何をやらなければいけないか分らなくなります。

 

便利になりすぎると、人の思考を奪う可能性がある。
このことは忘れてはいけません。

 

経営者の立場からすると、社員には自律した人材に育ってほしいという願いがあるでしょう。情報システムは確かに便利ですが、人から考える力を奪う可能性もあります。
そうならないために、人の役割とシステムの役割を明確に分ける必要があります。

 

人にしかできない役割は何か。それは考えて判断することです。
人工知能(AI)の研究開発は進んでいますが、まだまだ人の役割は変わりません。
情報システムに全自動の要素を盛り込むとすれば、必ず人のチェックと判断が入る工程を入れ込む必要があります。思考を奪われる姿勢であってはいけません。

 

徹底的に否定して、徹底的に肯定してみる。
そうすることで、自分ならどうするか?という答えにたどり着きます。
せっかく高額の情報システムを導入するのであれば、投資対効果を最大限に発揮させるためにも徹底的に考えることをおすすめします。情報システムは便利になりさえば良いだけではないことにお気づきになるはずです。