Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.28 なぜシステムの要望は伝わらないのか?

 コラム

なぜシステムの要望は伝わらないのか?

 

情報システムの開発を外部ITベンダー企業に委託したとしても、「なぜ要望通りのものができないのか?」というお悩みをよく聞きます。ITの専門家に任せているはずなのに・・・そんな気持ちもあるかもしれません。なぜ情報システムの要望が伝わらないのか?についてお伝えします。

 

主に3つの原因があります。

 

1つ目は、共通言語が無いということです。共通言語とは何かというと、発注側企業と、受注側のITベンダー企業とで同じ認識の言葉です。

例えば、「要件定義が終わらない」という言葉をITベンダー企業側が口にしたとします。
これは、ITベンダー企業側にとっては一大事の事態なのですが、発注側企業にとっては何がそんなに危機なのかがわかりません。要件定義が終わらないことがどのような結果を引き起こすのかの共有ができていないのです。
発注側企業にとっても、システムを構築する際は自社の業務で使っている単語を詳しく相手に説明する義務があります。普段業務で使ている単語が微妙にニュアンスが違う意味で解釈されることもあり得ます。
このように、共通言語がないまま工程が進むことでボタンの掛け違いのような事が起こり、トラブルへと発展していきます。このことは、どちらかが一方的に落ち度があるというよりも、双方が歩み寄りを示す必要があります。お互いが共通言語を認識しながら工程を進めることが大事です。

 

2つ目は、伝言ゲームが起きるということです。伝言ゲームが起きるとは、最初の発言者の意図が他の人へ伝わる途中で内容が変わってしまい、最終的に違う意味を伝えてしまうことです。
組織が大きくなると、情報伝達は避けられませんが、大事な情報が途中で誤った解釈をされることは避けなければいけません。

発注側企業からすれば、受注側ITベンダー企業の内部事情までは見えないのでわかりません。しかし、ほとんどの場合において受注側ITベンダー企業にも役割分担が発生するので、間違った伝言ゲームが発生する可能性もありえます。ですから、発注側企業はせめて自社内での伝言ゲームによる情報伝達不備を無くす必要があります。

3つ目は、ITという輸入ものに対する対応の違いです。

IT、情報システムは、海外からの輸入です。その導入手法であるマネジメントも同様です。日本には「あうんの呼吸」であったり、はっきり名言せずとも察する文化がありますが、その姿勢のままではトラブルを生んでしまいます。
海外の物ですかから、契約社会の産物なのです。物事をきっちり確認して決めていく手法です。そこへ「あうんの呼吸」を持ち込めばトラブル発生の素となるわけです。最初から文化が違うことを理解したうえで工程を進めていけば解決できるはずです。

以上の3つによる、なぜシステムの要望は伝わらないか?の原因は、そもそもITベンダー企業に発注せず、自社内で内製することで解決しやすくすることも可能です。内製の仕組みは大きなメリットがある企業は検討の余地がありますが、大半の企業にはハードルが高いものです。
ITベンダー企業にシステムを発注したとしても、原因を知り、しっかりと要望を伝える仕組が求められます