Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.25 情報システムの属人化メカニズム

 コラム

情報システムの属人化メカニズム

 

情報システムは専門性の高い仕事であるため、特に属人化しやすい分野です。属人化によって、その人がいなければ仕事が上手く回らないようになり、周りの人は通常以上の労力を使って補わなければなりません。仕事の属人化による悪影響は、現場担当者のストレスへつながり、最終的には会社のコストの問題となります。

 

情報システムの属人化を考える際、属人化する人の心理も考慮する必要があります。

 

情報システム属人化の一例を挙げます。
もともとITベンダー側にいたシステムエンジニアが、自分の担当するシステムの納入先の企業に招かれて転職する例です。

 

エンジニアの職に就く人はスペシャリスト志向が強いため、自分にしかできない仕事に惹かれる傾向にあります。そのため、自分ひとりで仕事を抱えることで、無意識のうちに、自分にしかできない仕事の価値と自分自身の価値を高めようとします。そして、自分にしかできない仕事を突き詰め、自身の価値が上がった結果、顧客企業から誘いを受けたということなのです。
しかし、注意しなければいけないのはその後です。
属人化に慣れ親しんでかつての顧客企業へ招かれたエンジニアは、自身の仕事を囲い込む癖から抜けきれず、転職先でも属人化の道を歩んでしまいます。所属する組織が変わっても、自身の価値を高めるためには自分にしかできない仕事を作る方法しか知らないからです。

こうなるとシステム発注側企業でもシステムの属人化が起きます。

 

システム発注側企業でおきるシステムの属人化は、自社担当エンジニアを招くパターンではなく、中途採用でシステム部員を雇う場合でも同様に注意が必要です。

システム発注側企業にとっては、自社の情報システム担当者としてどうありたいかを決めておくべきで、その指針が無ければ属人化を生み、ゆくゆくは無駄なコストを発生させることになります。

 

もちろん、人の心理だけでなく、背景も大事になるでしょう。
属人化を望んていなくても、やむを得ず属人化してしまうケースもあります。特にシステムの分野では人員不足もあって、ひとりで全てを抱え込むしかないパターンが多いのです。目の前の仕事を素早くこなそうと思った時、属人化前提の仕事の方が圧倒的に短期的な成果がでやすいからです。

 

システムは属人的にスタートし、標準化されて完結するというサイクルを歩むものです。

システム発注側企業はシステムの導入時に、このサイクルを仕組みとして埋め込めば属人化によるコスト被害を抑えることができます。

 

属人化とそれに対しての標準化。

それぞれの良し悪しはありますが、情報システムは属人化に傾きやすいので標準化の流れを作ってあげる必要があります。属人的にスタートしたとしても、いずれ標準化が必要になることを意識する。それはライフサイクルを意識するということと同義であり、終りを意識するという考え方です。

ここまでできてこそ、システムは完結し次期システムへと繋がるはずです。