Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.24 中小企業に必要なIT人材育成とは?

 コラム

中小企業に必要なIT人材育成とは?

 

IT人材とは、経済産業省の発表する資料や独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)が発表する資料の中に登場する、ITのスキルを持った人材のことです。広い意味で捉えれば、IT企業だけでなく、一般企業の中のIT担当者も含まれる概念です。

 

人材育成はいつの時代でもITだけに限らず必ず課題となるものです。特にITの分野はその専門性が災いしてか、IT企業側の技術者の事だけを指しているのかのように受け取られがちです。

 

企業の中にはIT担当者が必要です。それは、情報システム部門があってもなくても、CIOという役職が設置されていてもいなくても、関係ありません。社員が少なかったり事業規模が小さかったりしても、兼任で誰かが担当を担っており、必ず何らかの形でIT担当は存在します。言葉の定義はともかく、IT人材育成にどのように取り組むかは大切な経営方針となります。

 

もちろん、すべてをアウトソーシングで外部に委託するという選択もあります。しかし、自社の資産となるべき情報をすべてアウトソースする方針はよほどの事情がない限り避けたいところです。長期的に見てメリットがないばかりか、正しいアウトソースの方法を考えれば必然的に丸投げするという選択肢はなくなります。

 

では、人材不足の現状でどのようにIT人材を育成すべきか?特にIT企業ではない一般の中小企業に必要なIT人材育成をどのようにすべきか?について考えてみます。

 

IT人材というと、つい資格を取ることが必要と考えがちですが、それはあまりに短絡的です。社内のヘルプデスクやインフラ等機器管理を自社内でするのであれば多少必要にはなりますが、最優先事項ではありません。それよりも自社に必ず持っておきたい役割を先に磨くべきです。その役割とはプロジェクトを率いる力です。

 

実際は、人材不足の解消のために外部リソースを使うのが現実的です。IT企業と協業するためには、IT企業側に合わせて専門性を身に付けるのではなく、プロジェクト全体をマネジメントする力の方が断然必要になります。IT企業との打合せで分らないことや知らないことがあったとしても聞けばいいだけですし、難しい事を誰にでも理解できるよう分りやすく説明してもらえば済む話です。相手のIT企業の技術者も、難しい事を自分の言葉で噛み砕いて相手に説明する機会が増えれば、はるかに技術者自身が成長できます。

 

中小企業に必要なIT人材とは、ITプロジェクトをマネジメントする人材であり、ITの専門知識が豊富な人材ではありません。

 

例えば、サッカーでは、レジスタ(イタリア語で演出家)と呼ばれる選手がいます。自ら得点を決めるのが仕事ではなく、後方からゲームを組み立てる(演出する)ゲームメーカーです。最前線で得点を決めるフォワードの役割はIT企業に任せておけばいいのです。レジスタに必要なスキルはゴールを決める力ではなく、周りの状況を見て他の選手へ決定的なパスを出す力です。つまり、ゴールを決めるというIT専門スキルを磨くのではなく、ゲームをコントロールしパスを出すというプロジェクト全体をマネジメントする力が必要です。

 

中小企業に必要な人材はレジスタ(演出家)です。
タクトを振るうマエストロと表現してもいいでしょう。

 

限られた時間の中で、IT導入の機会は中小企業のIT人材育成の絶好のチャンスです。IT導入を完遂できるスキルを継承していけば、その企業にとって大きな財産となります。タクトを振るうマエストロたるスキルは、当然他の社内プロジェクト等に応用可能だからです。その仕組みを創ることが自社の強みとなります。弊社のノウハウはその仕組み創りに役立てています。

 

システムの発注側に求められるのは芸術性であるという側面もあります。
中小企業のIT人材育成に「マエストロを育てる」という視点も参考にしていただければと思います。