Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.23 IT導入プロジェクトの全体感、分割と統合

 コラム

IT導入プロジェクトの全体感、分割と統合

 

全体の大きな流れを見る視点と細部の細かな流れを見る視点。
両方必要でどちらも欠けてはいけません。どちらかと言えば全体を見る視点のほうが欠けてしまうので、全体感を見れない例に「木を見て森を見ず」という表現を良く聞きます。

 

全体感を知るということは、パズルの完成図を知らないと組み立てられないように、一つのモノを創り上げる指標となります。

 

全体が大きくなると、役割や機能を分割せざるを得ません。もちろん効率化の為など、必要なので分割するのですが、この役割や機能を分割するという行為が全体を見えにくくしている原因であるとも言えます。分割した物を本来の姿に統合するという考え方も必要になります。

 

会社経営を基軸に考えると、ITの立ち位置はひとつのパーツです。システムの導入は自社の経営方針という上位概念に沿ったものである必要があります。このシステムの導入は分割されたパーツですが、全体の流れの中に上手く当てはまることで初めて効果が出ます。当てはまらなかったら意味のないシステムであり失敗IT投資です。

 

同様にIT導入プロジェクトを基軸に考えれば、システム導入の工程はパーツですから、ITベンダー企業に開発を発注するとしても、プロジェクトの目的に沿ったものであると同時に上位概念である自社の経営方針に沿ったものである必要があるわけです。

 

役割を分ける、担当者を分ける、あるいは機能を分けるという行為は日常的に行われますが、必ず全体の大きな流れと整合性を取る事が求められます。

 

有限性を持った非日常活動であるIT導入プロジェクトでも同様です。ITというツールで新しい仕組みを導入するので、大きな流れの中の一つとしての立ち位置は同じです。

 

分割するというところまで出来ていたとしても、それを統合するという考え方は忘れがちです。物理的に統合するのではなく、目的や思想を共有することで一つにするという事が必要なはずです。

 

世の中の流れは、より「個」を優先する時代だと言えます。
例えば音楽CDなどは、アルバム単位で曲を発売したとしても、収録曲は1曲毎ダウンロード販売しています。かつてLPレコードだった時代は再生する曲順すら決まっていたので、A面、B面という曲の集合体でした。今や1曲ごと好きな曲をダウンロードできるので、曲順まで考えられた全体の世界観を持ったアルバムを作ることは難しい時代だと言えます。

 

分割はより利便性を高めるために必要だっただけです。本来の統合された姿を知っておく必要があります。それが全体感を知るということです。

 

IT導入プロジェクトにおいても、全体感を知る、あるいは大局観を知るとは本来の統合された姿を知るということです。「個」に偏りがちな現在だからこそ、大局観を知る必要があります。

 

リーダーはもちろん統合された姿を知っておく必要がありますし、メンバーであってもしっかりと共有された全体像を知っておくべきでしょう。プロジェクトの運営は全体感という完成図本来の姿から外れそうなったら元に戻せばいいだけです。

 

会社経営もさらにその上位概念である社会との関わり方に沿うので、必然的に上位概念との一貫性が求められます。そこでもやはり分割した個別の内容を再び統合して一つに戻す視点が必要です。一貫して同じ視点を持つことが必要です。