Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.21 絶対にやってはいけないカスタマイズ

 コラム

絶対やってはいけないカスタマイズ

 

IT導入を進める時、パッケージソフトを使うやり方や、イチからシステムを創り込むやり方、あるいはクラウドシステムを利用するやり方など、方法は色々あります。その中で、業種にもよりますが自社向けにカスタマイズを加えるという機会は今でも多くのIT導入で見られます。

 

カスタマイズの限界については以前にこちらのコラムでも触れました。(「Vol.4 中小企業向けITのカスタマイズの落とし穴」)

今回は絶対にやってはいけないNGのカスタマイズについて考えてみます。

 

システムのカスタマイズあるいはオーダーメイドというものを考えたとき、ある種の中毒性のようなものが付きまといます。例えば、風呂なし共同トイレの安いアパートに住んでいたとして、一度、風呂トイレ付のワンルームマンションへ引越したら、元の安いアパートへは、よほどの事情がない限り戻れません。一度生活水準を上げてしまうと元に戻れないように、一度カスタマイズしてできてしまったことは今後もずっとできなければいけない錯覚に陥ります。

 

そこには機能が必要かどうかの判断は無く、前と同じにしたい、現状を維持したいという観点にのみに目が向いてしまいます。そうなると、気付かないうちに不要なものへ投資している悪循環を生んでしまいます。

 

本当に必要なものであれば、カスタマイズやオーダーメイドすることも必要でしょう。しかし、さほど重要でないものは中毒症状を生むだけで長期的に見て良いことではありません。

 

多くのITベンダー企業の弱みは、料金さえもらえばカスタマイズやオーダーメイドを何でも引き受けてしまう事です。そこには中毒症状をつくりカスタマイズ依存体質になってしまう長期的視野はありません。

 

「本当はカスタマイズしない方が使うメリットが大きい。」これは、ITベンダー企業が声を大にして言えない事実です。そこには、カスタマイズやオーダーメイドで売上を立てるITベンダーは決して言えない事情があります。また、技術者が思っていても、発注元であるIT導入企業の要求を断れない場合も多いのです。

 

このような現実を知れば、IT導入企業の取るべき行動は明らかです。
間違った情報に惑わされずに、まずは自社の業務プロセスに真剣に向き合うこと。そのうえで最低限必要なカスタマイズを考えれば良いのです。

 

このような、カスタマイズの持つ中毒性を踏まえ、業務系ITで絶対にやってはいけないカスタマイズの具体例を挙げるとすれば、
・パッケージソフトであらかじめ決められた項目名を変更する
・画面項目の色などパッケージソフトで変更できないデザイン部分を変更しようとする
・カーソルの飛ばし順にこだわるなど特定作業の効率化のみに着目する
といったような、いわゆる「システムの幹ではなく枝葉」へのこだわりといういことになります。全体から見たら重要ではない枝葉のカスタマイズこそがカスタマイズ中毒になる原因です。

 

そもそもシステム創りには、便利なシステムを創りたい、しかし、誰にでも便利なシステムは創れないという矛盾があります。
要求を挙げればキリがありません。そこで、どこかで「割り切る」必要があるわけです。

 

どのように割り切るか。それはITベンダー企業に丸投げして良いものではありません。それでは相手の理屈で相手基準の目線で割り切りが決められてしまいます。

だだ金額を投資すれば良いのではなく、ただ便利さを追求すればよいのでもなく、まずは自社の現状にしっかりと向き合う事こそがまずやるべき事なのです。