Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.19 要件定義のゴールはどこか?

 コラム

要件定義のゴールはどこか?

 

要件定義の作業はIT導入における最初の難関です。

なぜ難しいのか。それは決められないからです。

システムのあるべき姿を描いたとき、必要な機能を決める作業ですから、まだカタチの無いものをあれこれ議論することになります。見えないものを決めるのは勇気のいる事です。

 

カタチの無いものを議論すると、議論の切り口は人それぞれであり、考え方も必要だと思う機能も人それぞれです。それは、誰かが話がまとめようとしない限りまとまりません。

 

まとめるためには、軸をしっかりと決めて幹となるものを決めておくべきです。おそらく、議論に参加する人たちの意見はすべて正しい言い分でしょう。問われるのは、会社の経営理念に合っているかであったり、現状を踏まえての優先順位付であったりですが、まとめるための大義名分は必ず必要になります。

 

当然のことながら、仕切り役は必ず必要です。

 

その仕切り役の役目を十分に発揮させるためには、要件定義の特性を知っておく必要があります。

 

要件定義の特性は、ゴールが常に動き続けるということ。

極端な話で言えば、今日決めた事が明日には変わっているかもしれません。

変化の激しい時代ですから、例えば法律の改正や景気の動向などの外部環境の変化もあります。そして、ここがゴールという場所に正解か不正解かもわかりません。

 

経営課題は常に変わるということ。そのことは十分に理解できます。
であれば、変わる事想定して計画を立てれば良いということになります。

 

ここで気を付けなければならないのは、途中変更を安易に認めるという事ではありません。とある時点での決定事項を要件定義としてシステム開発に着手するので、途中変更がトラブルの最大の原因となります。

 

現状を分析し、この先の変更が多くなると予想できれば、ゴールまでの距離を短く細分化すべきです。

 

これは目標を構造化することであり、大きなグランドデザインの下で、短期間で終わるプロジェクトを重ねていくことになります。

 

当然のことながら、現状から見てゴールが近い方が外部環境の影響を受けずにゴールへたどり着けます。長期的なプランはゴールを複数に区切った方が成功しやすいのです。
プロジェクト中は変更を発生させない状況だとすれば、プロジェクトを素早く完結させる方が有利になります。

 

しかし、多くの場合、コストを抑えようとして細分化する方法を採らず、一気に片付けようとする傾向があります。現状を知り、外部環境の状況を知り、どのようなシステムを創るかによって、要件定義の在り方を変えるべきなのです。

 

要件定義を始める前に、どのようなシステムを創るのか?の問いがあってこそ、要件定義が正しくスタートします。要件定義のやり方も様々あります。動き続けるゴールにどう対応するかが必要となります。