Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.16 プロジェクトという非日常

 コラム

プロジェクトという非日常

 

ITを導入しようとする企業にとって、IT導入は仕事の一環ですが、厳密には本業ではありません。そこで、プロジェクト体制を準備するのですが、その前に、プロジェクトとはいかなる性質を持つのか知る必要があります。

 

プロジェクトには、達成する目的があり、期限があります。
そして、忘れてはいけないもうひとつ重要な要素は「非日常性」です。

 

「非日常性」とは、いつもの本業ではないということです。
非日常であるがゆえに、本業のルールが当てはまらない事があるのです。

 

別の言い方で例えるなら、日常の業務が「平時」でプロジェクトは「有事」であり、非日常的な緊張状態なのです。

 

平時と有事で大きく違いがあるもの、それはマネジメントの難易度であり、リーダーシップの在り方です。

 

リーダーが先頭に立つ。これはどのプロジェクトでもやっていることでしょう。
有事の際、リーダーが後方で旗振り役をしていてもメンバーはついてきません。しかし、リーダーが先頭に立つだけでは足りないのです。

 

組織において、報告・連絡・相談を含む情報伝達経路は重要な事です。しかし、有事においては形式ばったルールにこだわると致命的な判断ミスを起こします。

 

実際にあった例ですが、
部門長の立場にある方がプロジェクトマネージャーとなり、
課長職の立場にある方がプロジェクトリーダーに、
係長以下の立場にある方々がプロジェクトメンバー、というプロジェクトがありました。

 

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトリーダーからの報告を受けます。しかし、その報告はプロジェクトリーダーというフィルターを通しているので、解釈が違ったり、事実と異なる報告もありました。

 

プロジェクトマネージャー自らが現場を見て回り、報告が正しいのかどうかを自分の目で確かめなかったので、事実と異なる情報から間違った判断をすることも多々ありました。

 

なおかつ、プロジェクトメンバーが緊急提案を出しても、決定権者へ届く前に必ず段階を踏む必要があったので、対応が遅れて機会を逃すこともありました。

形式を重んじるあまり、リーダーとの距離が遠かったのです。

 

これは、指示命令系統を崩せばよいという話ではありません。
平時なら何の問題もないことが、有事では柔軟に動かなければ対応できない事があるのです。プロジェクト運営はこのことを知っておく必要があります。

 

上記はIT導入を進める発注側企業での出来事ですが、
受注側のIT企業でも同様です。リーダーとの距離感がプロジェクトの成否を分けます。

 

有事は非日常的な緊張状態ですから、戦場におけるリーダーシップがとても参考になります。

歴史から学ぶ一例をあげるとすれば、太平洋戦争中の硫黄島守備隊を指揮した栗林中将は、実際に現場へ足を運び、自分の目で確かめて作戦を練り上げた現場主義のリーダーだったそうです。

 

皆さんの組織は現場主義に自信がありますか?
平時の場合と有事の場合、それぞれに対応できていますか?