Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.14 【画面設計】入力画面は誰を基準に作るのか?

 コラム

【画面設計】入力画面は誰を基準に作るのか?

 

システムを構築するのに、実際に使う利用部門の意見、中でも実際の入力担当者の意見は欠かせません。利用部門がシステムの要望を出すというのが自然な流れですから、積極的にプロジェクトに参加してもらう必要があります。

 

しかし、プロジェクトを進める上で大切な事は、
「任せることは任せる。でも、主導権は手放さない」

という確固たるスタンスです。

 

とあるプロジェクトの画面設計での出来事です。
入力画面を設計する上で、利用部門のメンバーに意見を聞くことになりました。

対象のメンバーは、ベテラン社員を中心に、現在のシステムを十分使いこなしている社員たちです。業務改革を含んだプロジェクトであるため、現在の入力画面よりも項目が増えて情報量が増えることが前提でした。そのため、今のシステムを踏襲しつつ、新しいシステムを作りだす必要がありました。
・入力業務を速やかに行う
・必要な情報をできるだけ多く表示させる
・一定レベルの操作性を持たせる
これらの相反する要素を含んだ非常に難しい画面設計が必要となりました。

 

結果、どのような画面設計が完成したかというと、
情報量の多さはタブを分ける入力フォームにして、さらにサブウィンドウを出して入力項目の多さををカバー。そして、マウスをカーソル移動のメインに使いつつ、難しい画面設計をクリアしました。

 

しかし、あと一つだけクリアしていれば言うこと無しだったのに!という点があります。

それは、「人間工学に基づくユーザーインターフェイス」です。

 

どういうことかと言うと、横書きの場合、人の目線は左から右、上から下へ動かすのが自然です。(目線の動きが「Z」字を描くので、Zの法則とも言います。)

 

例えば、サブウィンドウを出すボタンの配置をZの法則を意識して配置するだけで、次はここに行けばよいというのが何となくわかるようになります。初心者にわかりやすい設計とも言えます。

 

ベテラン社員中心にお任せで画面設計をお願いしたところ、「ベテラン社員のクセ」を反映した画面設計になっていたのです。

 

ボタンの配置は、法則に基づくものではなく感覚的なものになりました。一定の入力ルールに沿ってはいるものの、慣れないうちは目線を右へ左へと忙しく動かく必要がありました。

プロジェクトとしては、「現場の要望に沿う」「現場がこれで使いやすいと言っている」との理由で干渉はありませんでした。

 

だからと言って、使えないシステムというわけではありません。
初心者にとって慣れにくいシステムだったとしても、時間がたてば必ず慣れてしまいます。
ただ、慣れるまでは、「あちこち目線を動かして、疲れるシステム」という印象を与えてしまいます。

 

システムを構築する上で、ほんの少しのコツを知っているかどうかが命運を分けることがあります。より良いシステムを作るためには現場に丸投げするのではなく、参考意見を提示して導いてあげることも必要です。

 

プロジェクトの方針として、担当社員の入れ替わりを想定する、新入社員でも扱いやすいシステムを目指す、などの明確なコンセプトを提示していれば、そこを基準にシステムを作ることができます。プロジェクトが主導権は手放さないとは、方針を示し、コンセプトからはみ出さないようにコントロールすることです。

 

主導権を放棄した丸投げは悪であるということ。これは、忘れてはいけないルールです。