Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.10 ITをアウトソーシングする注意点

 コラム

 ITをアウトソーシングする注意点

 

アウトソーシング(業務の外部委託)は、どの企業でも活用されています。もちろんそこにはメリット・デメリットがあり、メリットが大きいと判断し採用されていることと思います。

人事、経理、あるいはコールセンターなどは良くあるアウトソーシングの活用事例ですが、情報システムを社外に発注することも広義のアウトソーシングと言えます。

 

情報システムの場合、アウトソースの主な目的は「外部の専門ノウハウを活用する」ことです。それを、標準化された業務を外部委託する感覚でそのまま対応してしまうと、本来は自社に蓄積すべきノウハウまでも外部に出てしまう危険があります。

 

人事や経理など、標準化された仕事を外部委託するのはメリットが大きいのですが、情報システムのように、自社で標準化や役割分担の線引きがされないままアウトソースされてしまうと、デメリットの方が大きくなるのです。

 

必要であればアウトソーシングは積極的に活用すべきですが、多くの企業でITのどこまでを外部委託すべきか?失われるノウハウは本当にないのか?をはっきりさせないままの状態で本当に良いのでしょうか。

 

アウトソーシングのデメリットを理解すれば、デメリットがメリットに転ずることも可能になります。

 

当社は、「情報システムの主導権を発注側が握る」ことを強く訴えています。
確かに、「すべてお任せ」で発注できるシステムもあります。それはそれで問題ありません。なぜならそれは、競合他社も導入している、当たり前のシステムだからです。

 

これからの時代は、「すべてお任せ」で発注できないシステムが必要になります。

お任せで発注できないシステムにこそ、競合他社との差別化になりうる力があるからです。

 

企業で使う業務系ITの世界では、効率化メインのシステム構築はひと段落しました。
これからは取引先をも巻き込む、顧客をも巻き込む、売上に直結するシステムが新たな主流となります。業務系ITはWeb系ITとの融合が求められています。

 

人それぞれに役割があるように、システムを発注する企業にも役割があります。
その役割を果たすことが、人の成長、企業の成長にそのまま繋がります。

 

システム発注側企業が、ITの新しい潮流、IT新しい技術に、すべてについていく必要はありません。情報を仕入れるだけなら外部の活用で問題ありません。
必要なのは、日々の業務に深く入り込んだITをも含めて経営戦略を練ることです。

 

以前のコラム(「Vol.7 システムの正しい発注。その効果を考える」)でも、パートナーを格下の業者としてみてしまう事例を紹介しました。
システム発注企業とIT企業とのあいだにも「業者意識」があり、IT企業がさらに別の協力会社へ発注するときも「業者意識」があります。

どんなにアウトソースの役割分担を決めても、「業者意識」があるかぎり上手く行きません。

 

無機質なイメージのITだからこそ「人」が大事です。
発注側も受注側も全員を一つのチームとして考える。それが「全員戦力システム」の考え方です。「人」なくしてチームビルディングはありえません。仕組みと人の融合が強い企業を創ります。

 

愛の反対は憎しみではなく無関心。このマザー・テレサの言葉はよく引用されます。
自分たちの仕事に深く関わるITに無関心ではありませんか?