Sphere System Consulting ltd. スフィアシステムコンサルティング株式会社

Vol.8 ITはなぜ専門的で難しいのか?

 コラム

ITはなぜ専門的で難しいのか?

 

ITは専門的で難しい、とっつきにくいといったイメージがあるかと思います。
原因のひとつは専門用語が分りにくいことだと思います。

 

IT業界は英略語が非常に多いです。

中には意味が重複するものもあります。

例えば「ASP」という英略語には、アクティブ・サーバー・ページという用語の意味もあれば、アプリケーション・サービス・プロバイダというまったく違う用語の略もあります。

今は前者の意味で使われることは少ないですが、後者のアプリケーション・サービス・プロバイダは、いま流行りの「クラウド」とも意味が似ています。

 

「クラウドコンピューティング」は、似た者同士のキーワードも多いのです。
概念を意味する単語は、他に似たような概念の単語が既に存在したりします。

 

IT業界は新しいキーワードがすぐに生まれます。
実際は、あまりにも次々と新しいキーワードが誕生するので、専門家であっても実は良く分らないというのが現実です。

 

以前、「この英略語は弊社が作った言葉です。」とおっしゃる営業の方とお会いしたことがあります。確かに、その会社は業界では大きな影響力を持つ会社でしたが、作った言葉が簡単に世の中に出回るものだなあと感じました。

 

知っておきたい事は、英略語や新しいキーワードは簡単に作られてしまうということです。

 

ITは医師のように厳密に資格を必要としません。
もちろん資格はありますが、業務を行う上で必須ではないので、医療業界よりはハードルが低いはずです。用語が分りにくいだけで難しいイメージを持ってしまうことは非常にもったいない事だと思います。

 

打合せや商談で注意すべきは、あいまい語に惑わされないことです。

特に、概念を意味する単語は解釈が人それぞれなので、乱用は避けるべきです。
「クラウドを導入すればコストも下がって便利らしい。」という言葉の意味はこれを聞いた全員の認識が合致しているか。クラウドという単語をもっと詳細に掘り下げなければ共通認識にならないはずです。

 

つまり、流行のキーワードをしきりに推してくる営業は要注意という事です。

 

ITの話を詳細に掘り下げれば掘り下げるほど、専門用語が多くなるというジレンマもあります。技術者はどうしても自分たちの世界の単語で話をしたがります。
まるで、専門用語を話すことが「自分はこれだけ知っている!」ということをアピールするが如くです。そういった心理は良く分ります。
しかし、技術者はもっと分りやすい説明を心がける必要があります。理解されなければ持っている技術の意味がないからです。

 

システムを発注する企業側は、分りやすい説明を受けるように働きかけましょう。
専門用語が多すぎたら、カタカナや英略語をなるべく使わない言い回しで再度説明を受けるよう、分りやすい回答が得られるまで聞く勇気を持ってください。
受け答えする技術者も、そのうち説明が上手くなり、分りずらい状況は改善されるはずです。

 

専門家同士でも話がかみ合わなくなる事があるのに、同じレベルの話を発注側と受注側でする意味はありません。
「これはつまり○○ということ。」

「これはいわゆる○○だ。」
このような会話が当たり前にできれば、ITのとっつきにくさはなくなるはずです。

 

専門用語に惑わされず、システム全体を俯瞰するということを忘れないでください。